実家に帰ったついでに、奈良県香芝市にある「どんずる峯」に立ち寄ってきました。
どんずる峯とは
「どんずる峯」とは、奈良県香芝市穴虫付近にある白い凝灰岩の奇岩群の奇勝です。
1500万年前~2000万年前ごろの二上山の噴火によってふもとの湖に火山灰が降り積もり、それが地殻変動によって隆起したものがどんずる峯の起源です。それらが長年風雨にさらされて浸食され、現在の地形になったものです。
昔からその岩の白さで知られ、石棺や石仏の材料として掘り出されていたようです。
地質学的にも貴重なのか、奈良県指定の天然記念物となっています。
異様な雰囲気
実家にごく近いので、以前に何度かきましたがもう20年近く訪れたことがありません。
久しぶりに
山の上に登ると、突如として真っ白な奇妙な形をした岩の層が一面に広がっています。
やはり、不思議な光景でつい見入ってしまいます。
「どんずる」とは「屯鶴」と書き、「鶴が屯(たむろ)している」ように見えるからだと言います。
私はなんだか緑の木々に覆われた山から覗く「白さ」が骨の白さと重なって、髑髏(しゃれこうべ)を思い出して不気味な感じがしてしまいます。
確かに、地元には「屯鶴峯は出るよ」という噂が絶えないようです。
昔はここに合戦の後の遺体を埋めていたとか、第二次世界大戦中に造られた複雑な防空壕があるため空襲で死者がたくさん出たとか。
防空壕があるのは本当ですが、果たしてこんな田舎が空襲を受けたのか疑問です。
ただ、本土決戦を目前にした陸軍が航空部隊・航空総軍の戦闘司令所として建設した壕があるのは確かです。
現在、防空壕の一部は京都大学防災研究所附属地震予知研究センター屯鶴峯観測所として
使用されており、地震予知研究計画の一環として地殻変動の連続観測が実施され
ているので、そんな無残なことがあったようにも思えませんが。
整備された周辺
この穴虫付近は奈良と大阪を繋ぐ抜け道で、車通りの割に反対車線の車来ると厳しいくらいの道の細さでした。
どんずる峯の上り口にちょっとスペースがありましたが、以前は駐車には苦労したものです。
今では道も整備され、すぐ手前に専用の無料駐車場も用意されトイレも完備されたました。
他では見れない景色を意外な場所で楽しめるので、近辺まで行った方は是非足を伸ばしてみてください。