遊び心あふれるデザインと高品質な打鍵感のコンパクトキーボード Mojo68 Plastic
HHKB Professional HYBRID TYPE-Sはもう25年近く使い続けており打鍵感も素晴らしいのですが、バックライトなどの遊びがないのでたまに浮気したくなります。
今回は少し前に日本でもクラウドファンディングで話題になったMojo68 Plasticをメーカーサイトから普通に購入してしまいました1。
Mojo68 Plasticのデザインについて
透明なプラスチック素材を使用した本体は質感も美しく、他のキーボードにはないカジュアルな印象を持たせてくれます3。キースイッチのRGBバックライトがきれいに見えそう2点もクリアボディのメリットです。
また、クリアボディーから基盤が一部見えているのですが、右上の基盤の部分には”Need Keyboard, not friends" などとキーボードオタクっぽいメッセージが入っており、遊び心をくすぐられます。
ボディー自体はHHKBと比較すると少し大きいだけのように見えますが、重量1.5KgとHHKB4の3倍程度とかなり重く持ち歩きには適していません。
キーキャップも独特なデザインがなされています。
"THIS IS PLASTIC"や"N0T FOR RESALE"などのメッセージっぽい印字や、退出鍵や粘貼5など中国語表記っぽい印字があり独特の雰囲気を醸し出しています。キー自体は特別なものでなく、一般のキーボードと同じ機能です。初見だとわかりづらいという面はありますが、まぁタイプするとき一々キートップなんて確認しませんし自分でキーアサインも変更できるので、使い勝手が特にデザインでスポイルされているとは感じません。
キーボードの左隅には、CAPS LOCK/Battery状況/接続状況を示すLEDのインジケーターもあり、これもデザイン的に気に入っています。接続状況はBluetooth接続時=青、有線接続時=白、無線接続時=緑に光るようです。
Mojo68のキースイッチの仕様と打鍵感
Mojo68のキースイッチについては注文時に選択できます。私が購入したときには、次のようなキースイッチを選択しました。
- Kailh Box Plastic/Kailh Linear/Kailh Toctile
- Gateron Pro Yellow/White/Brown/Silver
- ITC Gold Pink/Speed Silver/Frozon Silent/Blueish White
今回はMojo69 PlasticではデフォルトだったKailh Box Plasticをそのまま選択しました。
MelGeekのオリジナルスイッチのようで、打鍵感はリニア軸で軽いタイプのスイッチです。MelGeekのWebサイトを見るとのような仕様になっています。
Kailh Box プラスチック スイッチ (Mojo68/Mojo84 のオリジナル スイッチ)
操作力(押下圧):38±10gf
プレトラベル(キーピッチ): 1.80±0.4mm
移動距離(ストローク): 3.60±0.3mm
動作: リニア スイッチ
騒音レベル: 静か
「MelGeek Kailhカスタムメカニカルスイッチ´」より引用
非常に軽く、打鍵音もスコスコという感じでHHKBのTYPE-Sより確実に静かです。HHKB TYPE-Sは押下圧が45でストロークが3.8mmなので、確かにHHKB TYPE-Sより軽く、タイプも浅い、キー間隔も小さいです。
静かさやぐらつきに関しては、PORONスイッチマット、PORONフォーム、シリコンパッド、ガスケットマウントを吸音やがたつきについて工夫しており、ノイズの低減と打鍵感をかなり調整しているようです。
タイプした印象は、がたつきはまったくなくキーも軽く高速入力に向いています。ポーリングレート1000Hzを謡っており、ゲームでの使用も想定しているようで、かなりラフに使ってもチャタリングやキーの入力漏れなどは一切発生しません。
また静音性はかなり高く、タイプしていても心地よい打鍵感です。 HHKBは素晴らしいのですが、Mojo68と比較してみるとHHKBでは打鍵時にがたついている印象が出てしまいます。 デザインだけが気に入って購入したのですが、思わぬ収穫です。まじめに普段遣いを置き換えようかと迷います。
キースイッチはホットスワップに対応しているので、手軽に交換も可能です。まぁ、やらないですが。
キー自体は全体に6度の傾斜がついていますが、本体にチルトスタンドはなく角度の調整はできません。私は別途安価なキーボードスタンドを購入しました。
Mojo68のキー配列について
Mojo68のキー配列は一般的に英語キーボードと同じです。ただし、独自のキートップでわかりづらい部分もあります。 Mojo68で独自のキートップのためわかりづらいキーについてまとめると、以下のようになります。
キー | 機能 |
---|---|
退出鍵 | ESC |
削除鍵 | DELETE_FORWORD |
上翻頁 | PAGE UP |
下翻頁 | PAGE DOWN |
NOT FOR RESALE | BACKSPACE |
NO PHOTO | LEFT_COMMAND |
左CTRL | LEFT_CONTROL |
右CTRL | RIGHT_CONTROL |
ALT | LEFT_OPTION |
RELEASE | ENTER |
HHKBに慣れているとちょっとイレギュラーな点があり、注文をつけるとした次の2点です。
- Commandキーが左側にしかな。FNキーやBT(BlueTooth接続の制御するキー)キーなど使用を始めたらほとんど使わないキーがスペースバーの横に鎮座しているので、これをどけてCommandキーを追加してほしいところです。
- CommandキーとOption(ALT)キーの位置が逆。Macに合わせて欲しい。
後者に関しては、キーアサインは変更できますしキートップを付け替える道具ついているので「自分で好きに入れ替えろ」ということなのでしょう。
キーアサインの変更については、MelGeekで専用のKB Toolというツールが用意されています。6
信じていないわけではありませんが、この会社の所在地を見るとインストールするのはためらわれます。MacではもともとKarabiner-Elementsを使用しているので、いくつかの問題点はKarabiner-Elementsを使ってキーアサインを以下のように変更しています。
- Mojo68特有の設定
- caps_lock → left_control(Aキーの横はコントロール)
- home →grave_accent_and_tide(チルダをHHKBと近い位置に)
- left_option → left_command
- left_command → left_option
- 複雑な設定(キーボード共通)
- CTRLキー単体で押したときに、英数、かなキーを送信する
これでいびつなキー配列を補正しHHKBに近い操作ができるようになりました。Commandキーが右側にないので、CTRLキーでも英数/かなの制御ができるようにしています。
また、結局左のCommandキーとOptionキーは機能を入れ替えてしまったので、キートップも付属に道具を使っていったん外して入れ替えています。
残念な点は、ホームポジションを示す突起がないことです。一般にはJとFのキーに突起を付けてホームポジションを目視することなく分かるようにしてありますが、このMojo68ではそういう配慮がありません。
キーバックライトについて
キーのバックライトは、 FN-Zでオンオフできます。
また、 FN-Xでバックライトの光るパターンを以下のように変化させることができます。
- 打鍵の度に打鍵したキーから波紋のように光が広がる
- 打鍵の度にタイプしたキーだけが光る
- キー全体がランダムに色が変化しながら光る
- キー全体が単色で光る
- キー全体でゆっくり色が変化しながら光る
- キー全体が点滅する
- キー全体が左から右に光が流れるように光る
- 打鍵の度に打鍵したキーから波紋のように光る
光の色もFN-Cで配色を変更できるようです。こちらは試してみましたが、何パターンあるんかわりませんでした。
Mojo68 の接続性について
Mojo68はいわゆる3WAYで、有線接続、ドングルを使った無線接続、Bluetooth接続に対応しています。
有線接続はポップなケーブルも付属しており、キーボード側はUSB TYPE-Cとなります。これが充電も兼ねているのかな。私は自宅で有線でしか使わないです。
ドングルを使って無線接続について、ドングルが付属しています。付属しているドングルはMelGeek Pixelと合せたレゴブロックのようなデザインでちょっと残念です。またキーボード本体にはこのドングルを収納するようなスペースもないので、持ち運び時には注意が必要です。
Bluetooth接続については試していませんが、8台まで切り替えて接続できるようです。
残念ながら、Bluetoothとドングルでの無線接続に関しては、技適マークがなく日本の電波法令の技術基準適合がないため国内では使えません。
Mojo68 Plasticの総評
Mojo68 Plasticについてまとめです。
- クリアなボディーや独自のキートップなどデザインが楽しく見ていて飽きない。
- オリジナルのキーの打鍵感、安定性、静粛性とも素晴らしく、ある意味HHKBを超えている。
- ただし、次のような課題点があります。
- 日本では技適マークなしなので、有線しか使えません
- バッテリー内蔵しており、その点で良識を持って電池と普通に10年使えるHHKBと比較すると耐久性は低いでしょう
- 右のCommand/Optionキーがないこと、FN/BTキーが邪魔など多少不都合なキー配置
- 重量があり、日本では有線接続となるため持ち歩きは不便
- チルトがなく本体の角度調整は別途スタンドなどが必要
課題点の3つが許容でき軽いタッチの打鍵がお好みであれば、最高のキーボードとなるでしょう。
また、これは私の環境の問題ですが、Macには CalDigit TS3というドッキングステーション経由でキーボードをつないでいるため、Macの電源を切ってもMojo68のキーボードが光り続けています。毎回抜くのも面倒なのですが、技適マークもないんで我慢して毎回抜き差しすることにしました。
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