読了『ジョン・レノン暗殺―アメリカの狂気に殺された男』

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Beatlesの新曲発表されたタイミングなので、Johnの暗殺にまつわる 『ジョン・レノン暗殺―アメリカの狂気に殺された男』 を読んでみました。

"Now and Then"

11月2日に27年ぶりのBeatlesの新曲が発売されました。

27年前というのは、アンソロジープロジェクトの頃で当時もJohnが残したデモ・テープを もとに3人で音を追加して"Free As A Bird"、"Real Love"という『新曲』が発表されました。

今回発表された"Now and Then"はアンソロジープロジェクトでも新曲として制作しようと されたらしいのですが、当時の技術ではJohnのボーカルとピアノの音のバランスが悪く カセットテープで同じトラックに録音されておりどうしようもなくあきらめたようです。

今回はPaulのアレンジはJohnが作ったBメロをばっさりと削除しています。 Beatlesとしては「なるほど」とも思いますが、Johnらしいフレーズなのでちょっと寂しい気もします。

で、最近この曲をヘビロテするようになって、Johnが暗殺されたときを思い出すようになったので、 この本を読んでみました。

アメリカの狂気に殺された男

原題が"John Lennon and the FBI files"なので、ずいぶんと長ったらしいタイトルにしたものです。

この本はJohn Lennon個人というより、彼が暗殺された背景にある歴史を彼の生まれる前まで さかのぼって考察しています。

簡単にいうと、次のような暗殺事件はそれぞれ独立した事件でなく一連の流れを読み取ることができるというものです。

  • 1963年11月22日 ジョン・F・ケネディ
  • 1965年2月21日 マルコムX
  • 1968年4月4日 キング牧師
  • 1968年6月5日 ロバート・F・ケネディ
  • 1980年12月8日 ジョン・レノン

FBIがJohnを監視していたという話は、 1983年に歴史家のジョン・ウィーナーがJohnの 国外追放についてのFBIの動きを告発しています。1990年代にそのような書籍が出ていた ようにも思いますし、その後長い裁判の末に2006年にFBI文書が公開されているのも 知っていましたし、 FBI初代長官のJohn Edgar Hooverについての書物はいくつか読んでいたので、 あの偏狭でイカレた男が作った組織ならさもありなんとは思っていました。

しかし、この本を読むまではそのこととMark David Chapmanによる暗殺を深く結びつけて 考えたことはありませんでした。

落合信彦氏の『二〇世紀最大の謀略 ―ケネディ暗殺の真実― 』と 合わせてと、それぞれの事件が見事につながることがわかります。

Johnがこの動画で話している次の言葉がにわかにリアリティのある驚異として ちょっと怖くなります。

Our society is run by insane people for insane objectives. I think we're being run by maniacs for maniacal ends and I think I'm liable to be put away as insane for expressing that. That's what's insane about it.

私たちの社会は、非常識な目的のために非常識な人々によって運営されている。私は、 私たちの社会は狂気の目的のために狂気によって運営されていると思うし、それを表明 することは狂気として投獄される可能性があると思う。それこそが非常識なのだ。

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