エンジニア向けメモアプリ Inkdropに恋できるか?
Inkdropを試している理由
Inkdrop を使い始めたきっかけは、日誌でも付けるかと以前使っていたDayOneを試してみたら驚くほど改悪されていて代替アプリを検討しはじめたことです。
当初はDayOneの代替として日誌が書ければよいかなと思っていたのですが、どうせならばメモアプリとして使っているVimのマクロ QFix Howm の代替にもなればよいなと思い始めました。
私が求める機能は、以下のようなものです。
ブレーンテキストで可能ならMarkdownが使える。
ファイルなどの概念を意識することなく勝手にメモをオーガナイズしてくれる。
どこでも使える
オーガナイズは自由である
最後の機能は私の使い方に起因します。
私の使い方は、仕事のメモ、ToDo、技術Tips、個人的な日誌、アイデア、ブログ記事のネタなど様々です。用途により、メモの寿命も違いますし、オーガナイズの方法も違います。従って、様々な方法で自由なオーガナイズが可能である事か必要です。
機能としてはHowmか理想です。唯一、Vim上で稼働するのでどこでも使うことは出来ません。以前は仕事用Macと自宅のMacでGitやDropboxなどで同期させていたのですが、セキュリティ上もよいとは言えません。
で、クラウドベースでよいものがないかと探してみました。
メモアプリ探訪
以下のような候補を検討しました。
DayOne : Markdownも使えるけれど、リッチテキストになってしまった。Androidアプリが不完全。
Notion : Wikiのようにゴテゴテしていて好きになれそうに無い。
Evernote : 今更でしょ。
Bear : シンプルで良さそうだが、Apple プラットフォームに依存。
Agenda : Date-focused ってとこには惹かれるものの、Apple プラットフォーム依存。
Boost Note : オープンソース。一番イメージに近い。今年になってクラウド対応。
結局残ったのは Inkdrop とBoost Noteでした。どちらも似たようなコンセプトです。Boost Noteのほうはクラウドベースにリニューアルしたのが昨年末で、それまではローカルで使うか、Dropboxで同期するかだったようです。 どちらも日本色を出さないようにしている雰囲気がありますが、どちらも日本人の方が運営されているようです。
Inkdrop のほうが若干割高なのですが使っていこうかと思っています。 理由は、作者の方のスタンスに共感したから。
## Inkdropの主な機能
Inkdrop はメモは Notebook という単位で管理しています。これはそのままノートブックのイメージで、作成したメモはいずれかのNotebookに配置されます。 予めメモをグルーピングできるのであれば、グループごとに作成しておけばよいのだと思います。私は、プロジェクトごとに作成しようかと思っています。
もっとも、複数のNotebookのメモも "All Notes" というビューで一括して扱えますし、メモを書き起こした後にNotebook間で移動もできます。あまり最初から 悩んで細かく分けるよりも、最初は少ないNotebookで初めて必要に応じて分割するなど柔軟に運用できそうです。
メモ自体は、 GitHub Flavored Markdown (GFM) で記述することができます。
各メモには Status と Tag を付けることが出来ます。
Status は、以下の4つが定義されており、これを変更することはできないようです。
Active (アクティブ)
On Hold (保留)
Completed (完了)
Dropped (削除)
このうち、Completed と Dropped はメモの一覧表からは除外されます。検索などでは対象となります。
Tagはメモごとに自由に設定できます。
アプリの左のペインには Notebooks, Status, Tags が一覧され、それぞれをクリックすると、関連づけられたメモの一覧が表示されます。ただ、 このインターフェイスですと、例えば、Notebookのいずれか選択しつつ、その中のStatusがActiveなものという選択ができません。Notebookを 選択した後にStatusをクリックすると、Notebookの選択が解除されてしまいます。
ただし、Notebooksだけはフォーカスを当て続けると「detail」というリンクが浮き出てくるので、これをクリックすると該当のNotebookのメモ だけが一覧され、Status と Tagで対象を切り替えることができるようになります。
実はもっと便利な方法があります。例えば 「Notebook Weblogの中でActiveかつTagにSoftwareと付いている記事の中で Inkdropという文字を含むメモ」 という検索が以下のように検索バーにタイプすると一発で絞ることが可能です。
このように予め定義されている Statusなどの管理項目と、この柔軟な検索機能がInkdropのよいところかと思います。 この機能があるので、書き捨てのメモからコードスニペット的な情報まで一緒くたに保存しても破綻しないんです。
## Inkdropのカスタマイズ
Inkdrop 自体の Preferenceからフォントなど項目の変更ももちろん可能ですが、プラグイン機能があり機能拡張や 画面のテーマのカスタマイズにプラグインを利用することができます。
どのようなプラグインがあるかは、 公式サイト にて後悔されています。 個人的には Vimのキーバインドを可能にするプラグインが一番ありがたいです。
プラグインのインストールが、ターミナルからコマンドベースというのもオタク心を擽ります。
また、フローチャートやシーケンス図を描画するプラグインも公開されているので、技術系の方のメモとして更に「これだけで開発」みたいなことも可能かもしれません。
## まとめ
メモアプリに月に$5の価値があるかは悩ましいところです。
私の場合、これまでHowmで無料で出来ていたことが、少しだけ便利になって複数の環境で出来るようになります。それによりメモ書きだけで無く、少し用途を広げることができそうです。
個人的には十分それだけで、 Inkdrop には価値はあるかなと考えています。
Inkdrop は良心的なことに使用期間も60日と長いので、使い込んでよく検討してみたいと思います。