読了『アップルの未来』
本当は『 僕がアップルで学んだこと 』って本が読みたくてAmazonで購入したのですが、一緒にお勧めで出てきて買ってしまったこの本のほうが先に届いてしまいました。著者は原宿のAssistOnの取締役でアップルエバンジェリスト有名な大谷氏です。
副題が「ポスト・ジョブス時代に確信的な製品は現れるか!?」とついていていますが、内容的にはジョブスがどうこうって話題は最初の方にちょこっと出てくるだけなので、そちら系の話を期待している向きには期待外れでしょう。
企業としてのアップル社の現在の強みとこれからの展望を、サプライチェーン、プロダクト、経営陣、M&Aなどの観点からまとめられており、これらから今後数年後のアップル社の姿と社会への影響が書かれています。あまり目新しい情報はないように思いますが、いろんな角度からアップルを俯瞰してよくまとまっていると思います。
個人的にはキーパーソンの章に圧倒されました。CEOを継いだティム・クックやデザインを統括するジョナサン・アイブなどはメディアへの露出も多く一般にも知られているでしょうが、主だった経営陣をここまで網羅して、その経歴やアップルで役割、貢献をまとめた本はこれまでなかったでしょう。
また、M&Aの章ではP.A.セミ、Siri、アノビットの買収について解説されています。ポストPCなんて先の話も気になりますが、真っ先に頭に浮かんだのは「ふむ、これだとAxチップのマルチコアで、音声認識も可能なMacbook Airってのが次のMacかな」……
アップル社に馴染みがない方がこの会社の歴史俯瞰して理解するには最適の良書です。わたしのようにApple IIの頃からなんとなくこの会社を眺めていて、製品の盛衰や主だったキーマンの出入りが頭に入ってるオカシな人も、朝の通勤電車で少年ジャンプよりも楽しい時間を過ごすことができます。