兵庫県知事問題について

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報道陣イメージ

兵庫県知事問題について気になったので、私見をまとめてみました。 当初はさほど関心を持っていませんでしたが、斎藤知事の再選後も続く、 メディアによる攻撃的な報道に違和感を覚えたことがきっかけです。

以下の内容は、報道とネット上の情報から見えてきた、 報道とネットユーザーの認識の差異についての個人的な考察です。

問題の根本について

本件の核心は、以下の2点に集約されると考えています:

  • 斉藤知事によるパワーハラスメントの有無

  • 告発者の自死とパワハラの因果関係

斉藤知事によるパワーハラスメントの有無

斉藤知事によるパワーハラスメント疑惑の発端は、元西播磨県民局長・渡瀬康英氏が 告発文を報道機関や警察などに配布したことでした。その後、県の公益通報窓口にも通報されています。

県からは渡瀬氏の告発内容の「核心部分が事実でない」とする調査結果を公表してい ます。その後、百条委員会でアンケートが取れているそうですが、アンケート全件 チェックした「 賢者の人事チャンネルの動画 」 を見てもわかりますが、いずれも パワーハラスメントの要件 を満たしていないか、伝聞にすぎず「真実」と確認でき るものがほとんどないことがわかります。

パワーハラスメントの有無はわかりませんが、少なくとも斉藤知事の責任を問うほど パワーハラスメントの客観的な事実が確認されているとは言えないと感じました。

告発者の自死とパワハラの因果関係

告発文は誹謗中傷を含むとして停職処分を受け、その後元西播磨県民局長・渡瀬康英氏は 自死されました。

メディアは、内部告発者が「犯人探し」をされ処分された結果、自死に追い込まれた という文脈で報じる傾向にあります。しかし、不正を告発したと自認する人物が、 百条委員会で告発内容を証言する機会を前に自死を選択するというストーリーは大い に合理性に欠けます。

「一死をもって抗議する」と書き残したとされますが、どの報道を見ても 「遺族からのメールには、前県民局長の言葉として」と間接的な伝聞でしかなく 本当に抗議を意図した行動だったか確認できません。

ご本人が使用していた公用パソコンに保存されていた不適切な動画や文書が流出して いますが、むしろ、これらが百条委員会で公になることを苦にしてという説明のほうが 、より理解しやすいものとなっています。

この問題で感じた問題

一連の問題を見ていて強く感じた点は次の2点です。

既存メディアの偏向報道の酷さ

既存メディアの報道からは、「パワハラを行う斎藤知事が、正義の内部告発者を自死 に追い込んだ」という一面的な印象を受けます。しかし実際には、重要な事実関係の 多くが未確認のままです。それにもかかわらず、知事再選後も攻撃的な報道が継続し ている点は異様です。

報道の中立性などを求めるつもりはありませんが、何か信念があるというより最初に 描いたストーリーに固執しているだけのように思えるので吐き気がしてきます。

この問題の根本の2点について現時点での印象を書きましたが、重要なことは 確定的な事実確認はされておらず「何もわからない」ということです。百条委員会も 止まったままです。

また、再選でのSNSの影響力を理由に「SNSの法規制」を主張するアンミカや中村仁美 のように雰囲気で発言する軽いタレントの発言を無批判に同調して報じる姿勢は、 「報道の自由」を標榜するメディアとして極めて問題があると考えます。

自治体のレベルの低さ

次に自治体のレベルの低さです。

賢者の人事チャンネルの動画 を見るとわかりますが、 百条委員会のアンケートからは民間企業では一般的とされる業務上の指摘を 「ハラスメント」と捉える職員の認識の特異性が浮き彫りになっています。

さらに、県議会の対応も問題です。全会一致で不信任決議をした知事が再選された 後、朝日新聞のアンケートでは、不信任決議を「適切」とした議員の約9割が、現在 は「信任する」または「どちらともいえない」と回答しているという事実は、議会の 意思決定の軽さを如実に示しています。

まとめ

私が感じた今回の問題は、報道の「ストーリー化」でした。

メディアは「パワハラ知事が内部告発者を死に追い込んだ」というストーリーを作り、 それに合わない情報は無視し続けているように見えます。

このような報道姿勢は、既存メディアが嫌う「SNSの偏向」と何が違うのでしょうか。 むしろ、SNSには様々な視点の情報があり、多角的に事実を見ることができました。 フェイク情報があるのは今となっては既存メディアもSNSも同じです。 バカではないと自負しているので、どの情報も鵜呑みにしてはいません。

また、自治体の体質にも深い問題を感じています。民間企業では当たり前の指摘を 「パワハラ」と感じる職員の感覚。全会一致の不信任から一転、知事再選後は態度を変える 議会。結局のところ、誰のための自治体なのか。それを考えさせられた出来事でした。

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