閉店するイトーヨーカドー津田沼店に行ってきた

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イトーヨーカドー津田沼店の閉店のお知らせ

1977年に開業したイトーヨーカドー津田沼店が9月末に閉店となるいうので見に行ってきました。

イトーヨーカドー津田沼店の様子

イトーヨーカドーが津田沼に開店した1977年当時、近隣にパルコ、丸井、高島屋、ダイエーなどの 大型店舗が出店しており「津田沼戦」と呼ばれていたそうです。

そんな中でイトーヨーカドー津田沼店は、1980〜1990年代にはイトーヨーカドーの中で、 売上高が10年以上連続1位になるほど、イトーヨーカドーで一番の繁栄店でした。

訪れてみると、ドアには「閉店のお知らせ」が貼り出してあり、店内に入ると至るところに 「閉店セール」の文字が見えます。

最上階の8階は閉鎖されていたので7階に上がってみると、本来はレストランなどが入っていた フロアだと思いますが、すべての店舗が既に閉店しており休憩コーナーだけになっています。 休憩コーナーには「津田沼店46年間の思い出特設コーナー」が設置してありました。 津田沼の歴史などと共に、利用客のコメントがポストイットで壁一面に貼ってありました。

思い入れの利用客が多かったのなと思いますが、特設コーナーも人はまばらで他のフロアも 平日の日中とは言えGMS1にしては驚くほど客が少ない印象です。 そして、少ない客の7割くらいがかなり年配の方ばかりです。

建物自体が40年以上の歴史があることを踏まえても、どことなく古くさい昭和臭が漂います。 見渡すと館内がどこかしら暗く、古い建物特有のカビっぽい香りがしています。

多分「閉店のお知らせ」が全く無かったとしても、利用客が「あぁ、この店は長くないな」と 直感出来てしまう雰囲気がありました。

駅を挟んで数百メートルしか離れていないイオンモールが2003年開業とは言え、 昨年末にリニューアル工事が終わったばかりで明るく活気が感じられるのとは本当に対照的でした。

小売店の変遷について

津田沼ではパルコが2023年2月に閉店しており、以前には高島屋は1988年に、 ダイエーが2005年に、丸井が2007年に閉店しています。

「津田沼戦争」と呼ばれた時代には、ダイエー津田沼店も売上は全国スーパーで一位、 イトーヨーカドー津田沼店が三位と「消費の街」でしたが、そのダイエーも今はありません。

津田沼近辺は商業地域、大学、ベッドタウンが混在しており、千葉でも人口の流入が多く、 人口はそれほど減っているように思えません。

やはり、何でもそろうGMSという店舗形態が時代に合わなくなってきているのでしょう。 ユニクロ、洋服の青山、ニトリ、ヤマダ電機などカテゴリーキラーの台頭とそれらも収容した 大型のショッピングセンターへと人が流れているのでしょう。イオンモール津田沼はもちろん、 近隣には増床を繰り返しているららぽーとTOKYO-BAYがあり同じ商圏で集客力を高めていますし、 ちょっと足を伸ばせば超大型のイオンモール幕張新都心があります。

そう考えると、津田沼はこの半世紀の小売業変遷の縮図に見えてきます。

思い出特設コーナー


  1. 「General Merchandise Storeの略。いわゆる「総合スーパー」と言われる、日常品や食料などを幅広く取り扱う大規模な小売店。 

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