定番採譜ソフト Finale 開発終了

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End of Finale

少なくとも日本では採譜ソフトの定番となっている Finaleの開発終了がアナウンスされました。

使用している音楽関係者の間では、突然のアナウンスで「Finaleがついフィナーレを迎えた」などという冗談を言える雰囲気でないほど混乱しているようです。

Finaleが開発終了となる訳

Today, Finale is no longer the future of the notation industry—a reality after 35 years, and I want to be candid about this. Instead of releasing new versions of Finale that would offer only marginal value to our users, we’ve made the decision to end its development.

the finale blog - The End of Finale

アナウンスを見ると、開発終了となる背景は以下の2点のようです。

  • 40年近く機能改修の積み上げとプラットフォーム対応で数百万ステップのソフトウェアとなっており、メンテナンスの負荷が恐らく高くなっている。
  • その割に顧客に価値を提供できてない。

通常音楽は以下のようなプロセスを経て作られます。

  1. 作曲(作曲者)
  2. アレンジ(編曲者)
  3. 採譜
  4. 演奏(演奏家)

「採譜」は上記のよう作曲家または編曲者から多数の演奏家に曲を伝達するために必要となります1。クラシック音楽で演奏する楽団全員にスコアは配布するようなシーンを想像するとわかりやすいかと思います。

ところが、POPやROCKなどではクラシックと違い演奏家がインプロヴィゼーションを行うため、 アレンジでそこまできっちりと採譜しないことも多くなっています。

また、音楽製作でもデジタル化が進み、作曲の段階でデジタル化し演奏可能となっているので、 そもそも楽譜で演奏家に伝える必要性が相対的に減っています。 そして、デジタル化されているためそこからスコアを作成することも可能となっているので、 そもそも採譜だけに特化したソフトウェアの必要性が低くなっています。

「顧客に価値を提供できない」背景にはこういったことがあるのでしょう。

代替ソリューションは

アナウンスでは代替として、Doricoというソフトウェアが 紹介されています。 Steinberg社のものです。

一般にはSibeliusというソフトウェアがメジャーなようです。

私自身はギターを弾くのでGuitarProというソフトウェアを使用しています。 ギター特有のタブ譜をサポートしていることと、このソフトウェアのファイルフォーマットで 多くの楽曲が流通しているからですが、五線譜も普通に作成できます。

まぁ、採譜だけならば、余程凝らなければどのソフトウェアでもそれほど機能的に変わ ることはないでしょうが、蓄積したファイルや長年馴染んでしまったショートカットなどの アセットが他のソフトウェアへの移行を阻むのでしょうね。


  1. 作曲者と編曲者の間でも採譜は必要ですが、通常1対1なのでソフトを使った採譜は必須でなく手書きで十分。 

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