読了『アメリカの戦争責任 戦後最大のタブーに挑む』

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Hiroshima

8月で「終戦の日」もあったので、少し古い本ですが竹田恒泰氏が米国の主に原爆投下や 終戦にまつわる米国の戦争責任について問題提起した本書を読んでみました。

この書籍の冒頭で紹介されている、「戦争の天才」と称された石原莞爾が東京裁判で「第一級の戦犯はトルーマン大統領である」と語った逸話が非常に印象的でした。実際に、アメリカは「大統領の署名がなければ一般市民も爆撃する」とのビラを日本に撒いており、これは当時の戦時国際法であったセント・ペテルスブルク宣言やハーグ陸戦規則に違反していることから、明らかな戦争犯罪であると書かれています。

ウィリアム・D・リーヒ大統領付参謀長ですら、以下のように述べています。

私の意見では、広島と長崎で使用されたこの野蛮な兵器は、日本との戦争において実質的な役割を果たしていなかった。日本の敗北はすでに明白であり、降伏の準備も整っていた。〔中略〕私個人としては、この兵器を最初に使用した国家として、我々は暗黒時代の野蛮人たちの倫理基準を採用してしまったように感じる。このような戦争の遂行方法は教わったことがなく、婦女子を殺して戦争に勝つことなどできないと考えている。

William D. Leahy, *I Was There*, 1963, pp. 324-326.

アメリカでは一般的に、日本が戦争を止めなかったためにやむを得ず原子爆弾を使用したとされていますが、実際はそれとは異なる事実が存在するとの指摘があり、私もその点には強く共感しました。

  • 終戦の1年前に、ルーズベルト大統領とチャーチル英首相が極秘に締結したハイドパーク協定で、すでに日本への原子爆弾使用が決定されていた。
  • 当時、米国は日本の通信暗号を解読しており、日本が天皇の指示で戦争終結に向けた準備を進めていたことを理解していた。
  • 米国は日本が受け入れ可能な降伏条件を把握しており、ポツダム宣言にその条件を盛り込もうとしたが、バーンズ国務長官とトルーマン大統領が条件を削除し、無条件降伏を求めることで、日本の降伏を意図的に遅らせた。
  • 原子爆弾の威力を確かめるため、空爆被害を受けていない都市を選び、軍事工場ではなく意図的に市街地を狙って投下された。
  • 日本が最終的に降伏したのは、中立条約を結んでいたソ連の参戦によるものであり、原子爆弾の投下は終戦に何の寄与もしなかった。

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