読了『テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想』

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アメリカIT企業家の上位を占める天才達の思想について切り込んだ本書は、橘玲氏の著書の中でも気になっていたので帰省の合間に読んでみました。

テクノリバタリアン(Techno-Libertarian)とは

「テクノリバタリアン」(Technolibertarian)とは、技術(テクノロジー)とリバタリアニズム(自由主義)を融合させた思想や立場を持つ人々を指します。リバタリアニズムは、個人の自由や自主性を重視し、政府の干渉を最小限に抑えることを目指す政治思想です。

具体的には、テクノリバタリアンは以下のような信念や価値観を持つことが多いと言われています。

  1. 技術による個人の自由の拡大: テクノロジーは個人の自由を拡大し、国家や大企業などの権力から個人を解放する力があると信じています。
  2. 政府の最小化: 政府の規制や介入を極力抑えるべきだと考えており、特に技術分野においては自由な市場とイノベーションが重要だと主張します。
  3. プライバシーとセキュリティ: 個人のプライバシーを保護することが重要であり、そのために暗号化技術や分散型ネットワーク(例:ブロックチェーン)を支持します。
  4. 自由市場の重視: 自由な市場経済を信奉し、技術革新が新しい経済モデルを生み出すことを期待しています。ビットコインや他の仮想通貨は、テクノリバタリアンの支持を受けていることが多いです。

本書について

著者の橘氏のこういう最新の概念の説明は非常にわかりやすい。

テクノリバタリアンについて、リバタリアン(自由至上主義者)の系譜としての姿を、他の思想的立場(リベラル)や従来の立場(新反動主義)との違いを的確に説明しながら、浮き彫りにしていっています。

イーロン・マスクやピーター・ティール、サム・アルトマンなどの発言を引用しながら、思想の観点でその意味するところを見事に描いてくれます。

全然天才ではありませんが、エンジニアでジェイムス・ホーガンのようなテクノロジーに対する楽観的理想論に影響されているので、言わんとすることはシンパシーを感じます。

イーロン・マスクやピーター・ティールを見ればわかるように、わたしたちはいま、とてつもない富を獲得した、とてつもなく賢い者たちが、テクノロジーをエクスポネンシャル(指数関数的)に〝加速〟させて社会を大きく改造する時代を生きている。「よりよい世界」「よりよい未来」をつくろうとする彼ら(テクノ・リバタリアンの大半は男性)の意図はおおむねよいもので、わたしたちの生活はよりゆたかに、より快適になっていくだろう

テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想

その一方で、クリプトアナーキスト宣言のティモシー・メイが以下のように言及している。体感的にはこっちのほうがすっきりする。

「私たちは、役立たずのごくつぶしの命運が尽きるところを目撃しようとしているんですよ」とメイは冗談めかして言った。「この惑星上の約40億~50億の人間は、去るべき運命にあります。暗号法は、残りの1パーセントのための安全な世界を作り出そうとしているんです」

テクノ・リバタリアン 世界を変える唯一の思想

蛆虫どもに期待などしておらんということですね。

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