読了『ビートルズ ’66 彼らが「アイドル」を辞めた年』
昨年購入してずっと読めていなかった本です。ビートルズの1966年を追った内容の詳細さに圧巻されました。
1966年と言えば
『ビートルズ ’66 彼らが「アイドル」を辞めた年』となっていますが、原題は"Beatles '66: The Revolutionary Year" です。さすがに「アイドル」は言い過ぎかなと思うので、原題のほうがしっくります。
1966年と言えば、確かビートルズがロックミュージシャンから、ポップミュージックの変革者だけでなく時代の先端で新しい文化と芸術のパイオニアへと変貌した年でもあります。
- ステージでの演奏を考慮しない初めてアルバム「Revolver」の発売
- ジョンのキリスト発言とそれに続くレコード焼き打ち
- フィリピンで巻き込まれた騒動
- コンサートツアーの終焉
- ジョンとオノ・ヨーコの出会い
- ジョージの結婚
- 最高傑作と言われる 「Sgt Peppers Lonely Hearts Club band」のレコーディング開始
音楽部分だけ見ても、この年こんな変化が起こっています。
- Paul、John, GeorgeのメインギターをEpiphone Casinoにスイッチ
- 演奏するギターフレーズも、チャックベリー的なコードを分解したような複音でなく、単音でチョーキングを多用しスケールを意識したフレーズに変化
- ADTやテープの逆回転などスタジオワークを作品に積極的に導入
これだけの事があった年なので、彼らがビートルズとしての活動以外に誰と会い、 何に触れどんなことをしていたかを出来る限り克明に追った本書を読むと、 音楽的な変化と彼らの交友関係やドラッグ、接した音楽や演劇がどう影響したかを 想像できて楽しめました。