『The EFFECTOR BOOK Vol.63』レビュー

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TS808

The EFFECTOR BOOK Vol.63』TS系と呼ばれるIbanez TS808を源流とするオーバードライブエフェクターの特集だったので購入してみました。

一番興味深かったのは「TSサウンドの"正体"」という、Ibanez TS9、BOSS OD-1、 RAT2の音を分析している記事です。 RAT2はディストーションなんで明らかに音が違いますが、オーバードライブであるTS系とOD-1は なぜあんなに音が違うか音響分析で明らかになっています。

具体的に言うと、TS9では奇数倍の倍音が強く偶数倍の倍音がカットされる傾向があるのに対して、 BOSSのOD-1は偶数倍の倍音は弱まる傾向はあるもののしっかり出ています。記事ではさらにこれらを FenderのTwin Reverbに通した結果も分析されています。

結果を私なりにまとめると、次のような事だと思います。

  • Twin Reverbのような真空管アンプでは2KHz前後が強調され偶数倍の倍音が強まる傾向がある。
  • BOSS OD-1は奇数、偶数の倍音を適度の含んでおり、フラットな状態(つまり歪まないトランジスタ アンプなど)で鳴らしたほうが自然な歪みと感じる。
  • TS9は偶数倍音が抜けているので、プッシュした真空管アンプを通すと2KHz付近で強調される 偶数倍音がほどよく抜けた状態になる。

なので、TS系エフェクターが日本でもよいアンプが使われるようになるにつれ愛されるように 愛されるようになってきた妥当な理由がよくわかります。

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