『ゴジラ-1.0』を見た

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『ゴジラ-1.0』を見てきました。

個人的には『シン・ゴジラ』よりも数段良かったです。

良かった理由は、ちゃんと娯楽映画としてストーリーが描かれていた点です。 邦画としてストーリーと特撮やオタク要素の塩梅がよいバランスだったと思います。 (『シン・ゴジラ』は登場人物の背景描写などゼロで、ただただゴジラを描いているAVに近い映画でした。)

北米プレミアは好評でスタディングオベーションだったとか。よく見ると、ゴジラの寄りとか 迫力のあるシーンは満載ですが、踏み潰された人とかグロな表現は排除されており 厳しい米国のレイティングも意識された作りになっています。

公開2週目の興行収入は21.5億でシン・ゴジラとほぼ同等らしいのですが、 海外も合わせるとシン・ゴジラを越えるのではないかと評価しています。

以下はネタバレです。

『ゴジラ-1.0』で気になったポイント

以下は、表現が曖昧すぎて解釈に迷うようなポイントです。作品としてはダメな部分だと 思います。

誰に敬礼しているの?

神木隆之介演じる敷島浩一の飛行機の攻撃を受け頭部が吹っ飛び体が崩壊していく ゴジラに対して駆逐艦などの乘っている人々が敬礼をするシーンがあります。

一瞬特攻したと思われた敷島がパラジュートで射出され助かったのを見ての敬礼かと 思いましたが、映像の流れは明らかにゴジラに対してのように思えます。

戦時中にそれほど戦況が悪くないときは、日本海軍は沈没した敵の乗組員を 救助し沈みゆく米国駆逐艦に敬礼したり花束を投げたりということはあったらしい のですが、あれだけ東京の街を破壊し人々を万単位で理由もなく殺して回った 「動物」に「好敵手」とかいう感情を持つのは、この演出をした人はネジが 外れているのではと疑いたくなります。

水爆云々で「ゴジラも被害者」的なニュアンスかもしれませんが、前段にそういう 演出もなく唐突感は否めません。

大石典子の首のアザは?

最終シーンで、ゴジラの放射火炎の爆風で死んだと思われていた大石典子が 生きていて病院で主人公の敷島と抱き合うシーンで典子の首元に黒いアザが 見えます。

不自然なカメラフレームだったのでアレ?と思ってアザに気づいたのですが、 一緒に見ていた家族は「アザ? 髪の毛だったんじゃない?」という感じです。

多分、ゴジラのG細胞が侵食しているとか、放射能に犯されているメタファで、 ハッピーエンドに見えるけれどこれから典子の闘いが待っているという暗示だと 思うのですが、わかり難いですね。ヘタクソか?

一番意外だったのは震電

最後のシーンで主人公敷島が乗る戦闘機 震電ですが、先尾翼で機体後部にプロペラが 付き機体を押すプッシャー式という奇抜なスタイルで目を引きます。

ゼロ戦じゃつまらないから架空の戦闘機を持ち出したのかなと思っていたのですが、 実際に映画のストーリーどおり、高速戦闘機として1943(昭和18)年頃から 海軍航空技術廠により基礎研究や開発が行われ九州飛行機が開発・製造をした 十八局地戦闘機そのものだそうです。機名も「震電」と言ったそうです。

実際に試作機の初飛行の12日後に終戦を向かえて実戦配備されることなく、 施策で終ったとのことです。スミソニアン国立航空博物館に実機が保存されている らしいです。

あれが実機だったとは、夢があるなぁ。

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