HHKB Studioは一体何を間違ってしまったのか?
発売日に入手したHHKB Studioですが、1日にして使わなくなりました。使わなくなった理由は 次の2点です。
- 使い勝手の悪い新インターフェイス
- 間違ったコンセプト
使い勝手の悪いインターフェイス
HHKB Studioにはポインティングスティックとジェスチャーパッドという2つの 新しいインターフェイスが追加されました。
ポインティングスティックですが、IBMが開発しThinkPadで広まったインターフェイスです。 パンタグラフ方式でないストロークがあるキーボードにこんなもの付ける気が知れませんが、 スティック自体は普通に使えます。問題はマウスキーです。スペースキーの下に配置されていますが、 次のような問題があります。
- 利き手の右手でスティックを操作しながら、マウスでよく使う左クリックが左マウスキーを左の親指でクリックすることになるので、感覚的に違和感がある。
- そもそもキーボードに揃えたキーボードレストを使っているので、マウスキー自体が押しづらい。
キーボードレストとの相性は最悪で、手前のジェスチャーパッドなどはキーボードレストで隠れて使えなくなります。この事は認識されているらしく、高さを半分にしたキーボードレストがPFUでも販売されています。馬鹿な話です。
左右のジェスチャーパッドも感度に問題があるようで、認識しなかったり細かい操作はやりにくく なかなかにストレスを感じます。
間違ったコンセプト
All in Oneがコンセプトのようですが、これが間違っています。単体で完結しない製品に誰もAll in Oneなんて求めていません。
ThinkPadのトラックポイントは、ノートPCと組合せることでマウスを持ち歩かなくても WindowsのGUIの操作をノートPCだけで完結させた点で意味がありました。
ところがHHKB Studioは絶対にこれだけで完結することがありません。何故ならキーボードであって、PCやiPadではないからです。するとAll-in-Oneと言ったところでPCかiPadと組合せる必要あります。そこに小さなマウスにお供させることが、そんなに面倒なことでしょうか? 少なくとも出来の悪いインターフェイスを使うより、マウスを持ったほうが手軽で数倍快適です。
どうすればよかったのか?
個人的な意見です。
マウスなど他の機器が担っていたインターフェイス機能や、 折角削ぎ落したカーソルキーの代替機能なんかを盛り込むべきではありませんでした。
静電容量無接点方式でなくメカニカルスイッチを取り入れたことはよい試みだと思います。 競争が激しく進化が著しいパーツが使え、キーボードのカスタマイズという文化も取り入れることができるからです。静電容量無接点方式のほうが耐久性が高いようですが、そもそもメカニカルスイッチも 普通に数年は問題なく使えますし問題があれば1個から交換も可能ですからメカニカルスイッチに移行するメリットはありそうです。一方で他のキーボードとの差別化という問題はありそうですが。
また、できれば、DELETEキーを一般のキーレイアウトに合せたバージョンを作ってくれればと思います。他のキーボードを併用したときに一番タイプミスをしてしまうからです。
電池ケース部分の出っ張りもHHKB Studioのようにケースに凹凸がなく収めてくれるとよい。
こう書いていくと、そもそも従来のHappy Hacking Keyboardに大きな不満がないですね。