HHKB Studioを購入
新機軸として発売されたばかりの HHKB Studio を購入しました。今回はHappy Hacking Keyboardとしては入力デバイスとして新たにマウスのようなポインティングデバイス としての機能も盛り込まれました。
HHKB Studioのポインティングデバイスとしての機能
今回のHHKB Studioはキー入力の他にポインティングデバイスとしての機能も 付与されました。
一見してわかるように、HとGのキーの間にThinkPadのトラックポイントのような スティックが追加されました。「ポインティングスティック」と呼ばれている ようですが、機能としてはトラックポイントと同等です。
このスティックを人差し指で操作することで、マウスに触れずにマウスカーソルを 動かすことができます。ThinkPadユーザーにはトラックポイント信者が多いので うれしいのではないでしょうか? 「赤はダサい」ということで本体の墨色に合せて 黒のゴムが付いています。
スペースキーの下には「マウスキー」と呼ばれるボタンが追加され、正に マウスのボタンのように機能します。
その他に、 「ジェスチャーパッド」という機能も追加されています。 これはキーボードの左右と手間の縁の辺りを擦ることで、カーソルキーや スクロール、アプリ切替の機能を実現するものです。
これらの機能でキーボードから手を放すことなく、GUIの操作ができるということで HHKBとしては本当に新機軸ですね。
キーボードとしてのHHKB Studio
ポインティングスティックやジェスチャーパッドだけでなく、今回従来と大きく 変ったのは、キースイッチが静電容量無接点方式でなくCherryタイプのメカニカル スイッチに変更されたことです。しかも、ホットスワップ対応です。
静電容量無接点方式は耐久性も高くタイピングの感触もよいのですが、 ドイツ・Cherry社の特許が切れたこともあり、このタイプのキースイッチを使った キーボードのカスタマイズが流行するに従って、メカニカルなキースイッチの 性能や品質も格段に進化しておりますから、よい選択だと思います。
メカニカルスイッチはCherry、Gateron、Kailh社製など選択肢も多くキーボードの カスタマイズ人気により入手も容易になりましたから、ホットスワップでカスタマイズ も楽しめるようになりました。
デフォルトではKaih社のキースイッチを独自調整したものが使われているようです。 押下圧はこれまでのHHKBを踏襲して45gです。 ただし、キーストロークをType-Sより0.2mm縮めて 3.6mmとしています。 キーはガタつきもなく、メカニカルといってもリニアな静音タイプなので、 Type-Sより静かに感じます。
PFUでは静電容量無接点方式を「タクタイル感」、Studioを「リニア」と称しています。 どちらも「スコスコ」という静かにタイプできますが、確かにType-Sは静かながら 最後の押し込み感がありStudioはスッと余り力をかけずにタイプできます。
個人的にはType-Sの方が好みですが、人によってはStudioのほうが静かで「上質」と 感じるでしょう。
まとめ
Happy Hacking Keyboardと言えば「静電容量無接点方式」と言うほど浸透していますが、 よく考えると初代のHappy Hacking Keyboardはメンブレン方式でしたから、 「静電容量無接点方式」がHappy Hacking Keyboardのアイデンティティという訳ではありません。
「Happy Hacking Keyboardとは何か」と考えると、次の2点に尽きます。
- Sun MicrosystemsのType-3 Keyboard配列を参考にしたミニマルなキー配列
- 持ち運べるコンパクトなサイズ
この2点をベースコンセプトとして、その時代の高品位なキースイッチ方式や 接続方式を取り入れてきたのがHappy Hackin Keyboardでしょう。
従って、進化の激しいメカニカルキースイッチを取り入れたのは時代の反映と 言えるでしょう。
一方で「キーボード」機能に新たな入力デバイスとしての機能を取り入れた ポインティングスティックやジェチャーボードがこれまでのコンセプトに対して 大転換となる新機軸の機能です。
機能を削ぎ落したミニマムな機能を求めたHappy Hacking Keyboardに「All-in-One」というコンセプトの大転換が評価が分れるポイントでしょう。
今日から使いこんで評価したいと思います。