伊丹空港で道頓堀今井のきつねうどん
大阪で道頓堀今井のきつねうどんをいただいて、改めて大阪のうどんの美味しさを再認識しました。
道頓堀今井のきつねうどんの実力
大阪に行った際、伊丹空港で道頓堀今井のきつねうどんをいただきました。
澄んだお出汁に少なめのうどん麺と九州ネギ、おあげが2枚でという シンプルなきつねうどんが880円です。関東ではまず積極的に選択しない 食べ物です。
丸亀製麺のきつねうどんは大盛りでも640円でも「ちょっと高いかな」 と思ってしまいますから、一瞬「きつねうどんに880円?!」と驚愕を 覚えなくもないどえらい価格です。そして、これは空港価格でなく 道頓堀の本店でも同じ値段です。
それでもきつねうどんを選んだのは、大阪にいた頃は普通に食べていて 好きだったなぁと思い出したからです。
お出汁を一啜り、麺を一口いただくと最初は「味が薄い」と感じました。 あぁ舌が関東に毒されていたのでしょうか。それが二口目、三口目と ゆっくりいただいていくと、複雑なうまみと甘さを強く感じるように なりました。
お出汁は大阪らしく昆布だしにサバ節、ウルメ節をメインにしたお出汁で 醤油とみりん、砂糖と塩も入っていますが極々少量のはずです。それが これだけ複雑で重厚な旨味を出せるのかと改めて思いました。
一袋付いている七味も山椒の効いたもので出汁によく合います。
そしてとびきり甘みの効いた煮込んだおあげさん、シンプルで上品なお出汁 との対比でその甘みが一層引き立っています。これだけでもいただく 価値ありです。どのタイミングでおあげをいただくかを考え、一口いただく ごとに心躍ります。
うどん麵はかなり柔らかく感じます。丸亀製麺など讃岐うどんが広まって コシのあるうどんに慣れてしまっていますが、大阪の、特に今井のうどんは 朝茹でて麵を出しているはずでコシはなく非常に柔らかいです。 大阪うどんはうどんの中心は出汁で”煮物”という扱いなので、 麵はあくまで具材の一つだからでしょう。讃岐うどんも好きですが、 きつねうどんには柔らかいモチモチの麵のほうがよくマッチします。
お出汁までいただいた後の満足感は一杯のきつねうどんとは思えないほど充実したものです。
さすが1日300食出るというきつねうどんだけのことはあります。
改めて関東のきつねうどん
関東に戻ってきて、駅構内の立ち食いそば屋さんできつねうどんを いただきました。
この濃い目の汁に関東に来た当時はぞっとしたものです。
やっぱりそばには合うけど、うどんには今ひとつ。
汁が濃い分、おあげの対比がなく、なんかだらだらと食している気分に なってきます。
これはこれで美味しいんですけど、今井のきつねうどんのような 感動はやはりありませんでした。