マッカートニー 3,2,1

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ディズニープラス で 『マッカートニー 3,2,1』という ポール・マッカートニー(Paul McCartney)のインタビューをやっていたので見てみました。

全6話で構成された3時間ほどのドキュメンタリーで、音楽プロデューサーのリック・ルービンとポールが コンソールの前で音楽を聴きながら、ピアノやギターをポールがつま弾きながらポール自身の音楽について語りあっています。 印象に残ったのは、ビートルズ時代のベースの演奏について語っているシーンです。 1966〜1969年のポールのベースの演奏は神がかってましたからね。

特にジョージ・ハリソンの曲 [1] で "While My Guitar Gently Weeps" です。コンソールのフェーダーでベースの音を抜いたり、ベースだけにして聞ききながら、リックがそのアレンジの革新性について興奮気味に語っています。

この曲はジョージの歌と彼のアコギだけで聴くと静謐で美しい作品なのに、ドラムとベースのみフェーダーを上げるとまるでハードロックのよう。

確かにメロディラインをなぞっている訳でもなく、メロディのリズムとも全く違い別の曲のベースのようです。

ではノリで弾いたのかいうと、サビの部分のベースは非常にメロディックなベースラインも あります。ジョージの12弦ギターが同じメロディをなぞって強調しており、アレンジで考えて 弾かれていることがわかります。

また、この曲はベースが途中和音で弾かれていて [2] 、しかもそれが一部コード進行とも一致しない和音になっています。自由すぎて謎です。

この曲でリードギターを担当したエリック・クラプトンが「ポールのベースには舌を巻いた」という趣旨のことを後に発言していますが、こういうことだったのねと改めて納得させられます。

同じくジョージの曲で "Taxman"についても語られています。

かなり凝ったベースラインを弾いていますが、当時もうちょっとシンプルにできないのかと怒られたというエピソードの中で、当時モータウンのジェームス・ジェマーソンを聞いてベースの可能性に気づいたという趣旨の話はとても貴重だと思います。

第5話で紹介されるジョン・レノンがポールを評した言葉が印象的です。

Paul is one of the most innovative bass players that ever played bass, and half of the stuff that's going on now is directly ripped off from his Beatle period. He has always been a bit coy about his bass playing, but he's a great, great musician.

John Lennon

脚注

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