『みんなが選んだルパン三世』第1弾TVシリーズセレクション
『金曜ロードショー』にて、本日(10月15日)21時から今まさに『みんなが選んだルパン三世』第1弾TVシリーズセレクションを放送しています。
今回は『ルパン三世』アニメ化50周年を記念して実施した『あなたが今一番見たいルパン三世』の投票結果を踏まえ、上位4作品が放映されるそうです。
選ばれたのは、以下の4つです。
PART2・第155話(最終回)『さらば愛しきルパンよ』(1980年)
PART1・第1話『ルパンは燃えているか・・・・⁈』(1971年)
PART5・第24話(最終回)『ルパン三世は永遠に』(2018年)
PART2・第145話『死の翼アルバトロス』(1980年)
PART1と『カリオストロの城』しか正当な『ルパン三世』と認めず、PART2を宮崎駿と共に バカにしてきた私たち世代も納得の選択です。
PART1からもっと選ばれてもよい気もしますが、PART2から選ばれている2作品はPART2の中で 唯一宮崎駿が脚本と絵コンテ、演出に関わっている作品です。作画監修もPART1の大塚康生だからです。
そして、『死の翼アルバトロス』の峰不二子のアルバトロスでの闘いっぷりは、 どこかナウシカを思わせるものがあります。『さらば愛しきルパンよ』に至っては、 ラピュタのロボット兵が出てきますし、ヒロインはナウシカそのものです(声優もナウシカの島本須美さんです)。
時間軸で見ると、以下のような順になっています。
1979年 映画『カリオストロの城』制作
1980年10月6日 PART2・『さらば愛しきルパン』
1982年 『風の谷のナウシカ』原作
1983-1984年 映画『風の谷のナウシカ』制作
1985-1986年 映画『天空の城ラピュタ』制作
『カリオストロの城』より後で、ナウシカやラピュタはまだ作られていないタイミングです。
宮崎駿は『カリオストロの城』に相当屈託があったようです。以下のように語っています。
汚れきった中年のおじさんを使って、新鮮なハッとする作品は作れないですよ。こういうことは2度とできないなって、思ってやりました。
『 出発点 』 宮崎駿著
この『カリオストロの城』の後に、この『さらば愛しきルパンよ』の制作をしなければならなかった 訳です。相当な屈託を抱えての制作であったのではないでしょうか。
最終回にも関わらず、なんとルパンはほとんど登場しません。
最後に登場し可憐な少女の思いを守り、どこへともなく去って行く。まるで『カリオストロの城』 をなぞるような演出です。そして、ルパンの行方を聞かれ「あの方は 行ってしまいました」と言う少女に銭形が「ヤツはとんでもないものを盗んでいきました。」などというきざなセリフは吐かず無言です。ルパン一味と峰不二子もFIAT500に乗って、ただ走り去って行きます。
示されているのは宮崎駿による「もう作らんよ」という強烈な決別の意思なのでしょう。 似たような演出にも関わらず、『カリオストロの城』と違い時代が終わった侘びしさを感じてしまいます。
だから、私たちの世代もPART2からのこの2話のランクインは当然の結果と受け止めることができます。
PART5は2018年の作品でそもそも見ていないので、今度見てみようと思います。