音楽配信サービス AWA を試したが

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Spotifyの年間プランの切り替え時期なので、ちょっと気分を変えて国産の音楽配信サービス AWAを試してみました。

AWAとは

AWAとは、サイバーエージェントとエイベックス・デジタルの共同出資によって設立された音楽配信サービスです。

配信楽曲数は世界最大規模の6,000万曲以上で、SpotifyやAmazon Musicと比較しても全く遜色なく、 むしろ邦楽はこれらにのサービスより充実していると言われています。月額料金や配信される音楽のビットレートなどもどのサービスも似たようなものです。

AWAはPC/Mac/iPhone/Android、Amazon Fire TVなど主なプラットフォームはカバーしていますし、Carplayにも対応しています。 視聴環境もSpotifyやAmazon Musicと比較してもほぼ優劣を付け難い印象です。

AWAの音質は聴きやすい?

そんな中で「AWAを使ってみようかな」と思ったのは、音質が良いという評判を耳にしたからです。

2021年3月に実施した主要な定額制音楽ストリーミングサービスの音質調査において、ポジティブな質問6項目のうち5項目に関して1位を獲得し、総合1位を獲得いたしました。

AWAプレスリリース「 「AWA」が主要定額制音楽ストリーミングサービスの音質に関する比較調査で総合1位を獲得 」より引用

実際にAWAで音楽を聴いてみると、Spotifyよりも聴きやすく感じます。

理由は同じボリュームで聴いているはずなのに、Spotifyより音が少し持ち上がっている印象です。これが聴きやすく感じる理由でしょう。

ラウドネスノーマライゼーション

この「AWAの音質がいい」と感じる理由は、 ラウドネスノーマライゼーション の設定の違いではないかと思います。

音楽の平均的な音量は曲によって異なります。例えば、古い録音の楽曲と最近のJ-POPを比較すると、J-POPの方が圧倒的に音量が大きいと感じます。これはJ-POPでは強いコンプレッサーをかけて音を潰した上で全体のゲインをあげるような処理をしているためです。

ところが音楽配信サービスでは、プレイリストなどでいろんな音楽がランダムに混合して再生されます。 すると、このような音量に違いのある音源を混ぜて再生されることになるため、曲ごとに音量の聞こえ方が違ってしまい不自然になってしまいます。これを解消するために導入されたのが、 ラウドネスノーマライゼーション でLUFS/LKFSという単位をもとにある一定以上は自動で音量を下げる仕組みのことです。

Spofityのようにその仕組みを 公開 しているサービスもありますが、ほとんどの音楽配信サービスはラウドネスノーマライゼーションを適用しています。

確認してみると、Spotifyなどほとんどのサービスでは -14LUFSから16LUFSでノーマイゼーションを行っているのに対して、 AWAでは -9LUFSと音圧設定が高めになっているようです。AWAは日本初のプラットフォームなので、音圧戦争でコンプレッサーをかけまくっているJ-POPという日本の事情を考慮した設定なのでしょう。

私は洋楽の方が中心なので、確かに一見音量が上がったように感じますが曲によっては不自然にゲインしていて音が潰れているようにも感じることがあります。

結局 Spotifyに戻ります

聴きやすさについては、ダイナミックスというトレードオフがありますし、音量を上げたければシンプルにボリュームを上げればすみます。 また、AWAはこのラウドネスノーマライゼーションの制御をできませんが、Spotifyは聴き具合の設定を変更することもできますし、オフにすることもできます。

また、AWAをSpotifyと比較すると以下のような弱点があります。

  • Recommendationの精度は、Spotifyが圧倒的に精度が高い

  • Spotify自体が作成したもの含めプレイリストのクオリティはSpotifyの方が圧倒的に高い

  • Spotifyでは、AWAがサポートしていないポットキャストのコンテンツも充実している

  • UIはシンプルなSpotifyが好みである

結局 Spotifyに戻ろうかと思います。

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