Looking back on the 2020
年末になり2020年を振り返ってみました。 なんだかんだで、やっぱりCOVID-19に翻弄された年でありました。 5月くらいに 「 コロナの時代 」で書きましたが、案の上COVID-19は全く収束していません。むしろ5月頃よりも日々の感染者数は 増えており、それが日常になってきました。
振り返ってみると、COVID-19だけでなくいろいろな物事が変る契機があり 新しい時代に放り込まれた年なのだなと。
働き方が変った
私個人的には今年関わっているお客様のリモート対応が遅かったので、今年の勤務形態は変りませんでした。10月くらいから、リモート対応が始まりましたが、社内のPCに外部から接続してブラウザ などから操作するという噴飯レベルの対応でした。
自社では元々自宅での勤務も自由だったので、比較的3月には事業所への入館自体が制限され 社内の業務は在宅でリモートとなりました。 時々郵送物を受け取りに会社に行くと、ほぼ無人です。 会議はWeb会議になりましたし、 ブレインストーミングのような作業はMURALを使い、何となくメッセージもE-Mailから Slack中心になっています。新卒の学生の入社面談もWeb会議です。
うちのようなIT企業だけでなく一般の企業でもWeb会議は普通になっていますし、テレビ番組でも Zoomでリモート出演が当たり前になってきました。
海外ではCOVID-19のワクチンが開発され接種を始めた国もありますが、密を避けるこの状況は 来年もしばらく続くでしょう。
しかし、この新しいワーキングスタイルを知った社会は、 もう以前の社会に戻れないのではないでしょうか?
というか、会社も従業員も気付いてしまったんではないでしょうか? 苦行のような通勤時間を経て都心のオフィスに行く必要性なんて実は全くないことに。
そして、この新しいワーキングスタイルは、 会社から見ると、 人件費に継ぐ大きな支出であるファシリティコストを大きく削減できる可能性があります。 社員には、いままで通勤時間に当てていた2〜3時間/日という 自由な時間をもたらしました。
一等地にオフィスを構えるのでなく、リモートワークを支える社員のネットワーク環境や PCにより戦略的に投資して新しい働き方を模索する企業も出てきています。
2年後には人の働き方って、きっと全く変ってしまうと思います。
ビジネスが変った
2020年はビジネスや世の中の仕組みがいろいろと変る契機があった年でした。
たとえば、今年はCOVID-19の影響で多くの人が緊急事態宣言やリモートワークのため 在宅することが多くなりましたが、そのためかUberEatsや出前館のようなデリバリー・ サービスが一気に一般化した印象があります。
これはワーキングスタイルの変化によって、オフィスなりオフィス近辺のレストランの ビジネスがなくなると同時に、レストランと在宅する人を繋ぐ新たなビジネスが 大きくなって来ているということでしょう。
そういえば、在宅していると時間がフレキシブルになるので番組表に縛られた テレビよりも、逆に都合に併せてコンテンツをYouTubeの存在感のほうが増している 気がします。
更に今年COVID-19の影響でテレビ出演などでビジネスがなくなった芸人たちが 一斉にYoutubeなどで配信を始めました。 最初は困ってYoutubeを始めてみたものの、その後軸足を Youtubeに移す芸人も多く見られました。
よくよく考えると、テレビ出演していた時に芸人のギャラの構造は、以下のような流れで お金が流れていたはずです。
企業の製品を買う顧客
CMを打ちたい企業
広告代理店
テレビ局、制作会社
芸能プロダクション
芸人
ところが、Youtubeの場合でいうと、以下のように流れが変ります。
企業の製品を買う顧客
CMを打ちたい企業
Youtube
芸人
これまでは間に入っていた広告代理店やテレビ局、制作会社、プロダクションを抜けるのです。 その分自分で動画を制作しなければなりませんが、論理的には芸があるのであれば間で抜かれていた お金をより自分でコントロールできるということです。
更にYoutubeでは「メンバー」という、直接視聴者に課金する仕組みがあります。 この場合、更に大きく流れが変り以下のようになります。
芸人の視聴者
Youtube
芸人
広告費で生きていた芸人がダイレクト課金できるようなったのです。 象徴的なのが年末に、お笑いコンビのオリエンタルラジオが吉本を退所しました。 中田敦彦さんのほうは活動がYoutubeとなっていましたが、藤森慎吾さんのほうは まだテレビ中心の印象でしたが、それでもYoutubeのほうの稼ぎの方が大かったそうです。
エンタメで言えば、今年は『鬼滅の刃』のアニメ映画が驚異的なヒットをしました。 『千と千尋の神隠し』が持っていた興行収入の記録を塗り替えたそうです。
これまでのアニメ映画と異なるのは、みんなそのストーリーを知っているということです。
『鬼滅の刃』は原作もそこそこ人気でしたがTVアニメがヒットした後、原作にも火がつき 売り上げ部数が一気に20倍になったそうです。単行本23巻で1億2000万部を突破しています。 これは1巻あたり500万部程度は売れているということです。一巻当たりの販売部数はあの 『ワンピース』をも上回っているんです。
年末時点で映画版の動員数は2404万人ですが、これだけ原作が売れていて、なおかつ この映画版は原作のTVシリーズ以降の中盤のストーリーを抜き出したものだということを 考えると、見に行く人は原作などでストーリーは知った上で映画を見に行っているのです。
つまり、好きなストーリーの映像美を映画館で楽しむという新しいスタイルではないかと。
なんの話かわらかなくなってきました。