プログラムソース用 MONO フォント
以前書いたフォントについての記事を読んでいただいた Andreaさんという方から フリーで使えるフォントについてまとめたサイト 70+ Best Free Fonts for Designers – Free for Commercial Use in 202 を紹介いただきました。 ( Andreaさん、ありがとうございます! )
このサイトに掲載されているフォントから Console and Monospaced Fonts ついて、簡単にレビューしてみました。 これらのフォントは、プログラミングなどでソースを表示する際に見やすいように 固定幅フォントで、混同しやすい数字と特定の文字を区別しやすくデザインされています。
私は普段、Macのターミナルでは 更紗フォント を使っているので比べてみましょう。
Fantasque Sans Mono
Jany Belluz によってデザインされたフォントです。 手書きっぽいデザインで 風変わりな印象ですが、意外に読みやすいフォントです。
文字間のスペースやフォント幅が圧縮されているようで、 同じポイント数であればコンパクトに表示できます。 数千行に及ぶソースを効率よく表示できるので、ディスプレイでの表示には最適です。
PowerlineやAirlineに対応したフォントも含まれていたり、リガチャに対応しているので 正に「プログラミング用」にデザインされたフォントです。
IBM Plex Mono
IBMがデザインしたフォントです。
なぜIBMがフォントをデザインし公開しているかについては、 公式サイト で説明されています。以前は Helveticaを コーポレートフォントとして50年以上使っていたそうですが、ライセンス供与にコストが かかるため自社フォントを開発したそうです。2020年には日本語フォントも対応すると されていますが、現時点では日本語フォントは含まれていません。
IBM社内では PowerPointのコーポレートテンプレートなどもIBM Plexを使っています。日本IBMの 皆さんは全く知らないようですが。
フォント自体はすっきりした読みやすいフォントです。昔の 3270ターミナルの フォントを思い出します。ただ、フォント幅が大きすぎるので、表示の効率が悪く、間の抜けた 印象を持ってしまいます。
リガチャには対応していません。
Oxygen Mono
Vernon Adamsさんがデザインしたフォントです。
IBM Plexに似た印象のすっきりしたデザインのフォントです。IBM Plexよりは 文字間が詰まっていますが、ゆったりした表示です。
リガチャには対応していません。
TeX Gyre Cursor
タイプライター風のフォントで、ソースの印刷用に適していると紹介されているフォントです。
個人的にはプログラムソースの表示や印刷にはあまり向いていフォントだと思います。
他のフォントでは、"0"と"O"、"1"と"l"など混同しやすい文字について判別しやすいような デザインの工夫がなされています。 このフォントでは古いタイプライター風のデザインにこだわっているのか、そういった 工夫が全く取り入れられていません。これはプログラミングで使用する際は非常にストレスを感じます。
Ubuntu Mono
Fantasque Sans Monoに似た柔らかい印象のフォントで、視認性も高いデザインとなっています。 フォント間のスペースも圧縮されており表示効率もよいです。
リガチャには対応していません。
まとめ
いずれのフォントも、OTFかTTFだけでなく、Webフォントも提供されているので PCやMac上だけでなく自分のWebサイトでも設定することができます。
ディスプレイ上の表示はやはり表示が圧縮されている方が使いやすく、 特に Fantasque Sans MonoやUbuntuの柔らかいデザインのフォントは予想以上に 読みやすいです。
私自身はしばらくリガチャやAirlineのフォントにも対応している Fantasque Sans Mono を使っていこうかと思います(日本語に対応していないので、 Mac上のiTerm2で "Use a different fonto for Non-ASCII text"で更紗フォントを設定しますが)。
一方で印刷目的であれば、IBM PlexやOxygen Monoなどゆったりと表示可能な フォントの方が読みやすいと感じました。
プログラミングをやる方はエディタに設定するだけで、気分が変わるだけでなく 作業効率も上がりますよ。