最強のクラウドアウトライナー Dynalist

カテゴリー:  Tech タグ:  outliner

アウトライナーとして OmniOutliner を使っています [ref:01] 。が、ちょっと他のアウトラインも試したくなったので、 いくつかの候補からクラウドベースの Dynalist を使い 始めました。

アウトライナーに何を求めるか

最初にアウトライナーに何を求めるかです。

私の場合、大きく3つの目的があります。

  1. 情報を整理したい

  2. 情報を保持したい

  3. 複雑な TODO を管理したい

情報の整理をしたい 」というのはアウトライナーとしては 王道的な目的でしょう。論文などの長い文書の場合は、アウトラインをよく練って から書き始めると全体の構成がしっかりした文書にすることができます。短い議事録 のようなものでも、とりあえずメモった文書をアウトラインで構成を考えながら記述 を進めるとよく整理された議事録にすることができます。

トップダウンでもボトムアップでも、アウトラインのレベルを行き来しながら文章の 構成をあれこれ気軽に検討できるのはアウトライナーのもっとも得意と するところです。

情報を保持したい 」とは、「整理」と似ていますが、こちらの情報を活用する ための保持です。アウトラインでは体系的に情報が整理しやすいので、後日情報が 必要になった際に、情報に行き着くのがとても楽になりました。例えば、メンバー とのインタビュー記録、よく使う Git コマンドのリファレンス、車の整備履歴などを 私は OmniOutliner で管理しています。

OmniOutlinerでの車整備管理

複雑なTODOを管理したい 」は、GTD 的な使い方です。

OmniFocus や Toodledo でタスク管理をしていますが、こういったツールでは 「タスクを識別できること」が前提となっています。実際には、ある段階では内容が 漠然としてたり、タスクが複数の小タスクから構成されていたりします。 GTD ツール もこういったタスクの扱いを色々考えられていますが、自由にレベルを入れ替えたり 順序を変えたりできるアウトラインの柔軟性には及びません。

また、会議などで議事メモを取っているときに、「あ、これはやらなきゃな」とか 「これはアイツにフォローさせなきゃ」というのがよくあります。そうすると、それを あとで GTD ツールに転記する必要が出てきます。アウトラインなら議事録をアウトライン で書きながら TODO を埋め込んでおくことができます。

OmnitOutliner の不満点

OmniOutliner はアウトラインプロセッサーとしては最強だと思うのですが、2点ほど 不満点があります。

1つは リッチテキスト です。

カラムなど作れて EXCEL のようなことまでできるのですが、リッチテキストで見栄えが 自由になることから、ついそちらに気持ちがそれてしまうのです。

次に、 ファイルという概念 です。

スタンドアローンの Mac ソフトウェアから始まったアプリなので、「ファイル」という 概念を持っています。これは何かのアウトラインで管理する情報が「ファイル」という 物理的な単位で分割されることを意味しています。そうするとある情報がどこで使われて いつかをいつも意識することになります。

こういった不満は、「情報を整理したい」、「情報を保持したい」とアウトライン本来 の目的に対して、「複雑な TODO を管理したい」という GTD 的な使い方の比率が高まって きたことが要因のようです。

アウトライナーの検討

動作としては TaskPaper がプレーンテキスト ベースにも関わらず、複雑なクエリーでタスクを管理できてとても好みにあって います。

残念ながら Mac アプリのため、「ファイル」という概念にしばれていますし、 Mac という環境でしか使えないという問題があります。 [ref:02]

次に検討したのは、クラウドベースの Workflowy です。

熱烈なファンも多いようで、日本でもよく記事を見かけます。アウトラインは 1つしか作れません。逆にいうと全ての情報は1つのアウトラインに集約されて おり「アウトラインとして整理できれば十分でしょ」という意図でしょう。。

これは求めていたものではあるのですが、流石に1つしか作れないとなると 不安です。求める3つの目的の比率はタスクによって異なっているので、少なくとも それごとにアウトラインを最初は分けたい気持ちがあります。

また、1つのアウトラインしかないということは長大なリストを管理することになり ます。お試しで使ってみた印象では、ラインの数が少ない間はよいがアウトラインが 育っていったときは特定行に達するための手段が少し貧弱な気がします。これは かなり致命的かもしれません。

最終的に残ったのが、Workflowy と同じくクラウドベースの Dynalist です。

Dynalist

Dynalist では 複数のアウトライン を持つことが出来ます。 1つのアウトラインで運用することも可能ですが、いつでもアウトラインを増やせる という安心があるのは大きいです。

また、 ブックマークやタグ( @ と # が使える)リスト などの機能が Workflowy と 比べるとかなり強化されています。 長大なリストを管理する場合はすぐに自分の思う場所にジャンプできたり、 行を絞ることが可能になっています。後続だけによく考えられていますね。

「複雑な TODO を管理したい」という要求にもうまく答えてくれそうです。

カレンダー機能 があり、アウトラインの中で "!" をタイプすると Date Picker が表示され日付を選択するとテキストで挿入されます。実際に日付として認識されて おり、表示時にはその日までの残り日数を表示してくれます。これで TODO 管理として 利用できます。PRO ユーザーになると Google Calendar と連携してくれます。

GTD ツールによくある INBOX 機能 [1] がサポートされています。Mac だと、 以下のキーをタイプすると、"Capture into my inbox" というダイアログが立ち上がり、 文書をタイプすると INBOX に指定したアウトラインに格納されます。

CtrlShifti - INBOXに投げ込みを起動するキー

このように Dynalist は、Workflowy をかなり研究し弱点をカバーする機能強化を施しつつ、 シンプルなインターフェイスを保っています。良いツールです。

また、Workflowy のように無料プランに制限がほとんどないので、無料で使い込むことが できます。

PRO ユーザーになるといくつか機能強化がなされます。しかし月額が Workflowy の倍の 値段なのでちょっとためらいますね。私は年末のディスカウントをやっていたので [ref:03] 、 Subscribe して しまいましたが。


関連リンク

コメント

Comments powered by Disqus