Mastodonを試す
ここ数日周りで盛り上がってきた新しいSNSであるMastdonを試して見ました。
Mastodonとは?
Mastodonとは、Eugen Rochko氏が開発したオープンソースの新しいSNSです。
一見Twitterに似ていますが、大きく異なるのはサイトが一つでなく分散型であることです。
誰でもサーバーを立ち上げてMastodonのインスタンスを立ち上げることができます。 ユーザーはどこかのインスタンスを選択してユーザー登録をして使うことになります。インスタンスは独立しているので、複数のインスタンスにユーザーとして登録することもできます。
ただし、インスタンスは独立しているものの孤立しているわけでなく、インスタンス同士も「連邦」としてゆるく繋がることが可能です。ユーザーから見ると、これらの他のインスタンスのタイムラインは「連邦タイムライン」として、自インスタンスのタイムラインとは区別して見ることができます。
またインスタンスをまたいで別のインスタンスのユーザーをフォローすることもできます(リモートフォローと言います)。
どうやって使うのか?
自分にあったタイムラインを適当に選んで、ユーザー登録をします。
ユーザー登録するとブラウザでログインすれば、そのまま使うことができます。インターフェイスの印象はTweetDeckに近いです。
使い方はTwitterとほぼ同じですが、500文字まで呟けます。用語としては、「リツイート」のことを「ブースト」と呼ぶようです。
また、「CW(コンテンツワーニング)」という投稿機能があり、投稿時に選択すると注意文を書き込むことができるようになります。例えば「18歳以下は閲覧注意」などと入れておけば、その投稿は最初はその注意文しか表示されずクリックすることで実際の内容が表示されるようになります。
iPhoneだと、「Amaroq for Mastodon」という専用クライアントもあるので、より気軽にTwitter代わりに使えそうです。
インスタンスの選び方
日本人ユーザーが集まっている Mastodonインスタンスを以下のサイトでまとめてくれています。
私はとりあえず、mstdn.jp という個人の方が運営されている(しかし、現状で世界最大?)インスタンスに登録しました。
本来は分散型なので、「ユーザーが多いから」という理由でインスタンスを選択するのは適当ではないと思います。ただ、現状では特定のトピックや特定のユーザー向けのサーバーが少数、他はとりあえず実験的にインスタンスを上げてそのまま運営されているっぽいインスタンスも多く、どのインスタンスに登録するのか悩ましいところです。
注意点がいくつかあります。
- 他のサービスで使用しているパスワードは使わない
- Mastodonのインスタンス間でもパスワードはそれぞれ別のものを使用する
インスタンスは個人で運営されているケースもあり、いろんな方がいらっしゃいますから。
これはポスト Twitterになるのか?
さて、このMastodonですが、黎明期のTwitterのようだと言う人もいました。
2007年前後のTwitterは好き者だけがいて平和な世界でしたし、mstdn.jpが個人で手弁当で運営されているサイトであることもあり、そう言う雰囲気は確かにありました。ただ、この数日の急速なユーザーの増加で、状況はカオスになりつつあるようです。
作者のRochko氏のMastodonは分散化したプラットフォームであり、
コミュニケーションが単一の企業に独占されるリスクを避けられる
と言うアイディアはなかなか慧眼であると思います。
これまで、ポスト Twitterを謳ったSNSはいくつかありましたが、基本的には機能的にはTwitterとさして変わらず、 収益モデル(ユーザーから見ると広告の有無)やサードパーティーに対するAPIのオープンさなどを観点を課題としたものでした。
Mastodon は、「一企業が提供するSNS」と言う一般的な今日のSNSのあり方に対して「分散プラットフォーム」と言う新たなあり方を 提言するアンチテーゼです。これは、SNSの革新的な新たな一歩である予感がします。
一方で、インスタンスの話でも出したように、分散するが故に個々のインスタンスの運営に当然レベルの差が生まれ、 ユーザーから見るとカオスな状態となることは容易に想像できます。
それにより、ユーザーが嫌気が差す日がすぐにやってくるのか、 そこから淘汰と統合が起こって、より良いSNSとして育っていくのかしばらく眺めていたいと思います。
(2017-04-18 00:09追記)
「mstdn.jpが現状で世界一」と書いたばかりですが、 「Pixivの運営するPawooというMastodonインスタンスがユーザー数世界一となる」なんて記事が出ていました。