腕時計のオーバーホールについて

カテゴリー:  Gadget タグ:  gadget speedmaster watch

愛用しているスピードマスターが前回のオーバーホールから4年経ったので本日またオーバーホールに出したのですが、すごく値上がりしていてびっくりしました。

オーバーホールについて

今回オーバーホールに出したのは前回から4年経過したためと、6時の方向にあるストップウォッチの時針が時々ずれていることがあるためです。

中を開いて技術者の方に見ていただいたところ、時針の問題は「どうも磨耗で歯車の噛み合いが悪くなってきている」との説明でした。「いや、ストップウォッチなんてもう10年以上使ってないんですけどね」とツッコミたかったんですが、やめておきました。

いずれにしろ、実際オイルも切れかけてるとのことですし、パッキンなど防水面も不安な時期、さらにはそこからくるサビも心配なので良いタイミングだっと思います。

オーバーホール料金の高騰

オーバーホールに出すのはこれで3回目です。前回少し値上がりしたなという気はしてましたが、これまで5万円前後でオーバーホールできたと思います。

それが今回は7万以上です。
値上げしたとは聞いていましたが、そこまで上がっているとは。価格表を見てびっくりです。

さらにスタッフの方が申し訳なさそうにした説明によると、来年の2月に価格が改定されて8万円以上になるとのことです。

値上げは本国からの指示とのことでした。為替の問題、時計自体が高騰しているのでパーツ代も上がっているんでしょう。

オメガのオーバーホール

オメガに限らず、ある程度の価格以上のブランドの時計では同様だと思いますが、オーバーホールでは以下のような作業が含まれているようです。

  • ゼンマイの交換
  • 竜頭、プッシュボタンの交換
  • 風ぼうの交換
  • ムーブメント
  • 分解
  • 磨耗した部品の交換
  • 部品の洗浄
  • 組み立て・調整・注油
  • 必要な場合は、ダイヤル、針の交換
  • ケースとバンドの研磨
  • 計測と調整

オメガのサイトにどのような修理をするかの動画があります。

まぁ、クロノグラフのような複雑な時計に、これだけやってくれるのだから価格も仕方ないなという納得感はあります。時計の状態によってはスイス本国のオメガ工場に送られることもあるようです。

しかし、最近の傾向として職人の生産性を上げ経費を削減するため、部品を再生するより交換してしまえということが進めているようです。これからも料金が高くなっていきそうな予感です。

また、スウォッチグループの国内のメンテナンスのレベルの低さは結構ネットでも叩かれています。日本ロレックスでは高い技術の職人を抱えているのと比べると、かなり劣っているとの話もあります。そうすると、国内でメンテナンスされるときに不安ですね。

そういえば、前回のオーバーホールの際、竜頭が固すぎて巻き上げできない状態なっていました。検査してればわかりそうなものなのに、2度足を運んで調整してもらわなければなりませんでした。

今回はオメガの正規のオーバーホールを依頼してしまいましたが、不安です。

正規のメンテナンスするPros Cons

自分を納得させるために、正規修理でなく、技術力の高い時計屋さんでのオーバーホールとPros Consを比較して見ました。

正規メンテナンスのメリットは、以下の2つくらいでしょうか。

  • 正規部品が使われる
  • 保証がつく

当たり前のことですが、比較するとこれって意外に重要です。変な部品が使われる心配もなく、何かあってもとにかくあるレベルの安心感を得ることはできます。

正規メンテナンスのデメリットは価格です。これは今まで見てきた通りです。

では、時計店でのメンテナンスはどうでしょう?

メリットは、正規メンテナンスよりも3万程度安いことです。

しかし、デメリットもあります。

  • 国内スウォッチグループの技術がひどいといっても、街の時計屋さんのレベルだってわからない
  • スウォッチグループは正規部品の流通を制限する動きがあるようで、街の時計屋さんでは純正部品がない可能性がある
  • 純正部品がない場合に変な部品を使われると、偽物と間違われる可能性が高くなる

信頼できる時計屋さんを見つけることができれば別ですが、一つしかこういった時計を持たない私には技術力のある時計屋さんを見極めるすべはなくネットなどの情報に頼ることになります。

個人的には、これはメリットに比べるとデメリットのリスクが高く、しかもそのデメリットの可能性を時計屋さんを見極められない私は評価できないのが受け入れ難いです。

もし、今の時計を持ち続けるなら、正規メンテナンスは仕方がない出費と思うことにしました。

買い換えればいいじゃん

時計の一般的な寿命は20年と言います。それ以上もつ場合も多いでしょうが、これくらい経つとメンテナンスしていても大きなパーツがダメになることが多く、修理代金が見合わないので捨てられるケースが多いとのことです。

そろそろ寿命だなぁと思うと、ふと「もっとメンテの安い時計に買い換えるか」という考えも湧いてきます。

国産だと、グランド・セイコー、ザ・シチズンの機械式時計あたりが候補になります(個人的な趣味です)。

あと20年持った場合のシミュレーションをして見ました。最初の10年で2回、次の10年で3回オーバーホールすることを想定しています。手持ちのスピードマスターについては、10年以降先で大きな部品交換(20万円) が必要との想定です。

オメガスピードマスター グランドセイコー ザ・シチズン
購入価格 N/A 350,000円[^1] 250,000円[^2]
メンテナンス(最初の10年) 160,000円 85,000円[^3] 0円[^4]
メンテナンス(次の10年) 440,000円 135,000円 75,000円[^5]
トータル 600,000円 570,000円 325,000円

こう見ると、新しいグランド・セイコーを購入するのと今の時計を維持するのはそんなに変わりません。ザ・シチズンは10年保証と無償定期点検を謳っているのが大きな魅力です。

ただし、ザ・シチズンは10年の保証は謳っていますが、純正部品保持期間については特に明言していないようです。一般的な他のシチズンの時計は7年であることを考えると、10年以降は保証されないと考えた方が良いでしょう。グランド・セイコーも保持期間は10年としています。こう考えると、この2つの国産を代表する時計は20年維持できるかは保証がないことになります。

オメガ・スピードマスターの場合は、1960年代から製造されている(正確にはムーブメントは一部変更になっていますが)時計なので、オメガがどこまで保持期間を保証しているかわかりませんが困ることはないでしょう。

と、自分を納得させ正当化して今夜は寝ることします。



  1. Amazonでの機械式グランド・セイコーの価格を参考にしました 

  2. Amazonでの機械式ザ・シチズンの価格を参考にしました 

  3. j-tokei.com に掲載されたセイコープレミアムウオッチサービスステーションで修理した場合の標準料金(店頭受付)表(2015年6月1日改訂版)を参考に算出しています。 

  4. ザ・シチズンは10年間の保証期間とその間の無償定期点検を謳っています。 

  5. j-tokei.com に掲載されたシチズンサービスセンターで修理した場合の標準料金(店頭受付)表(2014年4月1日改訂版)を参考に算出しています。 

コメント

Comments powered by Disqus