Yelp、国外展開失敗で縮小
Yelp からのアナウンス
Yelp東京のコミュティマネージャーから、Yelp Elite宛にメールが来ました。
日本語の文章は曖昧なので、英語の方を引用します。
The Community programs at Yelp will be coming to a close outside of the US and Canada, including in Tokyo.
"Yelp Community Update " from Yelp CM
米国とカナダ以外の国ではコミュニティプログラムを廃止するとのことです。
これは驚きです。
Yelpと言えば、都市ごとにコミュニティマネージャー(以下、CM)を置き、地域に根ざしたコミュニティを形成するというコミュニティプログラムを通じて、ユーザーを増やしそのロイヤリティを高めることで発展して来たからです。
どうなるかというと、Tokyo Communityのアナウンスでは、Webサイトやアプリを通じたサービスは継続するものの、CMは退職されYelpによるコミュニティの運営や支援は無くなります。
Yelpによるオフィシャルイベントももう開催されません。
これは想像ですが、店舗に対する営業も無くなるのではないかと思います。つまり、ユーザーによる店舗情報の登録のみです。
事実上の撤退ですね。
国外展開で失敗か
Yelpのサイトを見ても特にアナウンスらしきものはないので、米国のニュースを漁っていると以下の記事を見つけました。
With only around one percent of revenue coming from non-US business, Yelp’s taken the decision to retreat to the US and Canada for future growth.
"Yelp retreats to the US and Canada as international expansion fails" - diginomica
記事によると、米国国外では31カ国に展開しているにも関わらず、売上は総売上の2.2%に過ぎず直近の四半期では1%とさらに下降しているそうです。国外には175人の社員がいるそうです。CMの方だと思うので、同様に退社されるのでしょう。
そりゃ誰がどう見ても失敗です。米国国内が圧倒的に好調なだけに、失敗が目立ちます。
なぜYelpは失敗したか
まず、「ローカル」と言いつつYelpのWebサイトもアプリもしっかりとローカライズされているとは言い難く、機能の良し悪し以前に使いにくいものでした。
例えば、お店を登録する際所在地を入力しますが、これがつい最近まで町名番地、市町村、県という米国に準じた並びだったのです。何度か改善提案を書き込んだら、やっと改善されましたが。
ビジネスのカテゴリーも米国ベースでとても日本に合ってるとは思えないカテゴライズでした。
他の国で失敗した原因と関係あるかわかりませんが、ここからは日本特有の事情です。
- 食べログを中心に、ぐるなび、Rettyなど競合サービスが強力である。
- Facebookに似た雑然としたユーザーインターフェイスはやっぱり日本人の感性には合わない
- 知らない人とのリアルな交流なんて、やっぱりシャイな日本人には合わない
Yelpは必ずしも飲食店だけを対象にしているのではありませんが、日本人で”ロケーション”に基づいた口コミサイトとして思い浮かべるのはこれらのサービスでしょう。
食べログは口コミ、ぐるなびはお店とのタイアップ、Rettyは口コミとタイアップでそれぞれ特有の強みを発揮していますし、インターフェイスも日本人に合わせて作られています。
だいたい、半径10Km以内(山手線の半径はそれくらい)の中で「この駅に近い店はなんだろう」なんて感覚は、都市間が数百キロ離れている米国の人にはわからないでしょう。
サービスも使いにくいから初期ユーザーも増えない、ユーザーがいないから情報が少なくユーザーがさらに離れていく、コミュニティもうまく立ち上がらないという悪循環だったんでしょうね。
実際、私は他のSNSと連携させなかったので、Yelp上でのフォロアーはYelpのCMだけですし、コメントや「イイね!」をつけてくれるのもCMだです。
個人的には、過疎ってるサービスの方が性に合ってるのでしばらく使っていこうと思いますが。