書評:『アイアムアヒーロー』
話題になっていたのは知っていたのですが、何となく読まずに来てしまった『アイアムアヒーロー』を一気読みしてみました。
あ、以下はネタバレです。
ゾンビ&進撃の巨人
『アイアムアヒーロー』はいわゆるゾンビものです。人類が原因不明の感性症によりZQN(ゾンビ)になり人を襲い始めます。
それは主人公目線で突然始まり、あれよあれよという間にほぼ東京は壊滅し富士山方面に逃げます。が、そこでも同じ状況で、ZQNと生きるために本能むき出しで凶暴になった人間に襲われます。
その中で人間たちのそれぞれの生きるため葛藤がドラマが描かれています。
ここまではよくあるパターンですね。海外ドラマ『ウォーキングデッド』で成功しているパターンです。
と、ここで主人公と行動を共にしている女子高生がZQNに感染してしまいます。しかし、通常のゾンビとならずにそのうちに回復して元の人間と同様に戻ります。
そして、彼女が人類をZQNから救う鍵だとかいう話で、映画版『バイオハザード』のアリス・アバーナシー的な様相を呈してきます。
ところが、そうと見せかけて、今度はZQNが全体で意思を持ったかのうような行動を始めます。そしてZQN同士が融合したような巨大な化け物になります。そしてゾンビ(正確には狂巣という亜種?)が言うのです、「オレたちZQNは早狩比呂美のものだ」。
ええっ! これって『進撃の巨人』?
これじゃまるで、「エレンの座標」ではないですか? 現在最新刊である20巻では件の女子高生は巨大なZQNの集合体に取り込まれます。まさに「巨人」
これからどうなるんだろう。
1巻に唖然
1巻を読み始めた印象は強烈でした。
1巻は漫画家である主人公の日常と彼の妄想が淡々と描かれています。日常は本当にごく普通売れない漫画家です。入り混じる妄想はシュールですが、まぁ妄想ですから。
「一体、これは何の話だ?」
私はゾンビの話であるとかいう知識はあったから、どうゾンビに繋がっていくんだと読み進めました。
考えてみてください。連載当時は、いくら売れてる漫画家の作品とはいえ、読者にとっては作品の方向性は未知です。それが、新連載が始まったと思ったら、主人公の冴えない日常と妄想が延々と1巻まるまる続くのです。
多分、みんな思ったと思います。「一体、これは何の話だ?」
そして、やっとゾンビが登場するのが第10話です。妄想が入りながらも、漫画家の話かなぁ、どうやってこいつは売れていくんだろうなぁとか考え出したところで、ゾンビです。本格的な登場の前にちらほらそれらしきものが描かれているのですが、それでも登場は衝撃です。
そして、延々と描かれてきた日常があまりにたやすく崩壊していく様が、異様な勢いを持って描かれています。
このあたりの1〜2巻は、ゾンビものとしても秀逸です。これだけでも読む価値がある。
映画化もされるようですが、本編が完結していない中、中途半端にならずにこの勢いを実写でも再現して欲しいですね。