SUZUKI IGNIS Review
以前から気になっていたスズキのイグニスの試乗に行ってきました。
スズキ イグニスとは
昨年のモーターショーでコンセプトモデルはありましたが、何か突然出てきた印象のある車です。イグニスとはスズキのSUVテイストのコンパクトカーです。スズキによるとそのコンセプトは以下のようなものです。
コンパクトカーの使いやすさとSUVの走行性能をひとつにして、新発想のクルマが誕生しました。 スタイリッシュなデザイン。さらに燃費にも妥協しない。だからこそ、乗る人のライフスタイルさえ選ばない。 日常も、遊びも、冒険も。すべてをクロスオーバーさせる、新しい1台。
「イグニスコンセプト」
興味があったのは、そのサイズ感と位置づけです。
例えば、コンパクトカーの代表としてマーチ、フィットと比べてみると、明らかに全長が短いことがわかります。
車種 | 全長(mm) | 全幅(mm) | ホイールベース |
---|---|---|---|
マーチ | 3825mm | 1665mm | 2450mm |
フィット | 3955mm | 1695mm | 2530mm |
イグノス | 3700mm | 1660mm | 2435mm |
つまり、位置づけ的には軽自動車とコンパクトカーの間のゾーンを狙った車ということです。同様のサイズ感の車としてスズキはソリオを出しています。今回はこの超コンパクトカーとして、クロスオーバーにチャレンジしています。こんなサイズ感でそのニュアンスが出るか興味がありました。
また、アルトから評価の高かった軽量化技術がどこまで生かせれているかというのも興味がありました。なぜならイグノスは他のコンパクトカーと比べてると、150Kg前後軽量なのです。そう言った軽量化がどこまで走りに生かされてるでしょうか?
実車拝見
実際に実車を見てみると、確かに車高も高いですが言われなければそこまでSUV的な香りはしません。まぁ、これでオフロードに行こうとは思わないでしょうが、クロスオーバー的というよりハスラーに通じる「遊び心」が現れています。
思った以上デザインはよく出来ていて、このクラスにして「他のどの車とも似ていない」デザインはコンパクトカーのスペシャリストであるスズキのすごいところです。
インテリアは普通によく出来ています。すべてがプラスチックなので、ドアの部分だけでも多少パットを入れるとかやって欲しいところです。
メーターなどもシンプルですがセンスよくまとまっています。ついていたナビも、Apple Play対応でうちのクソみたいなナビより随分と使いやすいです。
後部座席の後ろの収納は長さはありませんが、意外にそこも深く収納力があります。シート位置調整もトランク側からできたり、左右別々に倒せてしまうなどユーティティはかなり便利です。
試乗
いざ、試乗です。
乗り始めはシャシーがかなりしっかりしている印象を持ちました。聞けば、スイフトなどのものの流用だと全体の費用が上がり、アルトなのでプラットフォームを流用だと強度が持たないとのことで、新設計したそうです。
車重が軽いためマイルドハイブリッドでも発進は楽ですいっと前に出ることができます。低速ではサスのストロークも十分で硬さも柔らかいので、車内はすごく静かです。
この辺りは、他のコンパクトカーが3気筒に移行している中、あえて4気筒をおごっていますから、静粛性の面でもアドバンテージがあるのだと思います。
少しスピードを上げてコーナーを曲がってみると、腰砕けな感じで収まりません。低速ではシャシーは剛性感があったのですが、まだシャシーがこなれていないのかもしれません。あるいは車高が高いこととサスが柔らかすぎることが原因でしょうか。他のコンパクトカーと比べて、著しく不快というのではありませんが、期待が大きかったので残念です。
試しはしませんでしたが、自動ブレーキもかなり性能が上がっており営業の方はこのクラスでは一番だと豪語していました。
まとめ
超コンパクトカーでクロスオーバーというコンセプトは、他にはない線なので超品コンセプトとしては成功ではないでしょうか?
ハスラーより少し大人っぽく、しかし遊び心があり、車としても良い出来だと思います。
ただ、新シャシーがもう少し落ち着いた改訂モデル待ちでしょうか。