「全商品送料無料」廃止からに思うAmazon の未来
5年以上に及んだ「全商品送料無料」を、Amazonが廃止されました。
わたしはプライム会員なので関係ありませんが、同じような経緯を辿った米国の現在の状況を見ていると将来に危惧を覚えます。
米国の状況を合わせて見てみましょう。
「全商品送料無料」サービスとは
「全商品送料無料」は当初は期間限定キャンペーンとして始まりました。
当時楽天ブックスとの競争が激化していた状況にあり、楽天ブックスの送料無料キャンペーンに対抗したもので2009年9月から書籍の送料を無料化しました。
その後、書籍だけなく全商品にキャンペーンが拡大され、一方でキャンペーンの終了期間も「未定」のまま定常化していました。そして、2010年11月から通常サービスとして送料が無料化します。
その後、低額商品についてはコストの問題から一定額以上の「あわせ買い」を必須にするなどの対応がありましたが、今年まで「送料無料」が続けられていました。
その5年以上続いた「全商品送料無料」が今回廃止され、2,000円未満の商品については350円の送料が必要となりました。
Amazonプライムの異常な優遇
一方で、年会費3,900円を支払ってAmazonプライム会員になれば、今後も送料は無料のままです。
年会費は必要ですが、送料350円とすると12回、つまり月に一回買い物するならば十分ペイする額です。また、「お急ぎ便」や「お届け日時指定便」などの便利なサービスも利用できます。
特に最近はプライム会員への取り込みに力を入れているらしく、ざっと思いつくだけでも以下のような特典やサービスが増えてきました。
- プライム・ビデオ:一部の動画が見放題。
- プライム・ミュージック:一部の楽曲が聞き放題
- Kindleオーナーズライブラリー:毎月1冊無料で読める
- Amazonパントリー:食品や日用品など大量の商品を一箱あたり290円の手数料で届けてくれる
- Amazon定期おトク便 おまとめ割引:日用品などを定期購入にすることができ大幅な割引が適用される
- プライム・フォト:クラウド上に容量無制限な画像用ストレージを利用できる
また、タイムセールも会員は通常ユーザーより早く参加できる特典もあります。
もう、これはプライム会員にならない理由はありません。
一抹の不安
米国では早くからプライム会員サービスの充実が始まっていました。
会員への取り込みによりAmazonへの定着を図るというのが狙いだった様です。会員になると充実したサービスを受けることができますから、会員数も増えていた様です。
一方で、プライム年会費は年々引き上げられていきました。 50ドルから始まり、今や99です。日本の年会費は前述の通り3900円なので、2倍以上の開きがあります。
これを見ると、将来引き上げられるんだろうという予測は立ちます。
その時までは特典を享受しようと思いますが、値上げされる将来乗り換えことが可能な代替サービスが残っているのか? 不安です。