ペヨングに見る製品ラインナップの妙
ペヨングを最初に見たとき、ペヤンガーとしてペヤングに思い入れ深いわたしですら「ペヤングのXX国製パチものだ!」と思いました。
しかし、3/14に発売となったこのペヨング、正真正銘まるか食品の製品です。
気になったので、食してみてペヤングとの違いとその狙いについて考察してみたいと思います。
ペヤングとのスペックの違いについて
パッケージの違い
パッケージの大きさや色使いなど、ペヤングのモチーフを継承したデザインです。
見れば見るほど、呆れるくらいのパチもの感です。
ある製品の後続製品としてデザインし「明らかにグレードダウンした製品」であることを一目で消費者にこれほど認識させるとは! 見事なデザインと言えましょう。
しかし、驚いたのはこのパッケージのビニールを剥いだ瞬間です。
「ビニールを剥いだペヤングと区別がつかん! 同じじゃねーか((写真を撮るのを忘れてしまって残念でなりません。))」
装備の違い
まず、目に付いたのが「かやく」です。
肉が入っていない!
ペヤングに入っている肉は「味付け鶏ひき肉」らしいのですが、ペヨングはその肉が省略されて、かやくがキャベツだけなのです。
そして、ソースをよーく見てみると、ペヨングの方が油分が少なく色も赤みがかっている気がします。
ペヤングとのパフォーマンスの違いについて
作ってみると、ほとんど見た目の違いはわかりません。若干ペヨングの方がソースが薄い感じはします。
食べてみると、実にあっさり。
ペヤングの方がソースの辛みとフルーツっぽい甘みがあり味が深い。ペヨングのベースの味や方向性は似た感じですが、味はあっさりしていて香りも抑え気味です。
比較すると、やはりペヤングはその深みにおいて圧倒的です。人によっては「同じじゃね?」って思ってしまうくらいの違いですが、はっきりとした違いがあります。
味と深みにおいてはペヤングの圧勝ですが、間食にするにはペヨングの方があっさりしてよいかもしれません。
さて、ここまで書いてきて改めて思った事は、「ペヤングって味の深みがどうとかいう食べ物だっけ?」です。
製品としてのペヨングの意義
ペヨングを購入して食してみて感じたことは、「ペヨングはアクアだ」でした。
アクアとはトヨタが発売したハイブリッドカーです。一時は納車まで半年待ちなんて事もあった人気車です。
トヨタのハイブリッドカーと言えば、プリウスがまず最初に思い浮かぶでしょう。
アクアは3ナンバーであるプリウスの車体を5ナンバーで収まるようスケールダウンし、エンジンもモーターも1サイズ小さく非力なものに置き換えました。つまり、スペックダウンしました。
しかし、アクアのスペックダウンした動力系はハイブリッドの最も重要な評価軸である燃費改善にもつながり、車体が小さくなったことで動力性能はプリウスと比べても差して違いませんでした。
結果、アクアはプリウス以上に売れました。
また、微妙なことに、アクアが登場したことで、ただのファミリーカーだったはずのプリウスにちょっぴりプレミアム感が出てきました。
長々と車の話をしました……
言いたいことは、ペヨングは味にもの足りなさは感じますが、ペヤングの系統の味を継承するそれなりに美味しい焼きそばです。しかも、実売でペヤングと50円ほど違うコストパフォーマンスです。こりゃ売れるでしょう。
そして、ペヨングが登場したことで、高級路線とはほど遠かったペヤングに味の深みを感じ、なんだかプレミアムな焼きそばに感じてしまう効果があります。
これらの相乗効果で、「どちらも売れる」という効果があります。
実際、コンビニでは異常な売れ行きだそうです。
まるは食品では、予定していた西日本地区の発売を延期せざるをえないほど売れているのです。
この度 3月14日から、東日本で販売開始致しました 【ペヨング ソースやきそ 】 ですが 供給能力を大幅に上回るご注文を頂いております。ご注文に対して、工場 夜間・休日 稼働による増産を可能な限り続けてきておりますが、それでも現在、十分な対応ができない 状況になっております。
【ペヨング ソースやきそ 】西日本地区 発売延期に関するお詫びとお知らせ
ここまで読んだあなたは、絶対にペヨングとペヤングの食べ比べをやるはずです。