あなたはボノボ、それともチンパンジー?
考えさせらせる本です。 チンパンジーとボノボ、この瓜二つの生き物はともにヒト科の動物で遺伝子レベルで見ると我々とほとんど同じ動物です。
ところが、チンパンジーは暴力主義でボノボは平和主義。このような違いを数十年に渡る観察を元に解説されてます。
豊かなジャングルの中で我々の祖先は少数の子供を大事に育てる戦略を取りました。その結果、メスは子育て期間が長くなり極端に妊娠しにくい性質も相まって、オスの繁殖機会が極端な競争状態に置かれました。
その様な競争状態を前提として進化したのがチンパンジー。一方ボノボはメスが繁殖を伴わない擬似セックスを取り入れるとこにより、オスの競争を無効化しました。この結果、争いのない平和主義的な種になったとのこと。
もう一つ印象的な話は、広く動物を見渡しても同族殺しを恒常的に意図を持って行うのはチンパンジーとヒトだけだそうです。作者の推察は、普通なら決死の反撃が予想される同族殺しは見合わないが、知能を発達させた我々は将来の功利までも予想して殺しをやるのだとか。
あなたは、チンパンですか、それとまボノボですか?