オンラインバックアップ再考(CrashPlan/BitCasa編/Transmit+Amazon S3)
「オンラインバックアップ再考(JungleDisk編)」の続きです。
せっかくなので、今時のサービスも検討してみましょう。
CrashPlan
CrashPlanは容量無制限を謳うバックアップ専用サービスです。
似たようなサービスが幾つかありますが、機能で見ても他のサイトでの評判を見てもCrashPlanが一番のようです。巨大なファイル(例えばVMのイメージファイルとか)でもブロック単位で更新をかけてくれるので、最低限の転送量で済みそうです。またバックアップ専用だけあって、緊急時に郵送でバックアップと届けてローカルで復旧なんてサービスもやってるようです(USだけかな)
実際導入して思い余って年間プランを注文してしまいました。
が、すぐに気がつきました。遅い。
とんでもなく遅い。
ネットワークの問題かと思いましたが、ローカルのバックアップする機能も異常な遅さです。そしてなんだかこれまた異常にリソースを食います。アプリがどうもJavaで書かれているようで、この遅さはそのせいでしょうか? もっとうがった見方をすると、「容量無制限、いくらでもオンラインにバックアップできます...... ただし、あたなのHDDのバックアップには丸一年かかります」ってことでしょうか。そもそも、バックアップなんだから、自分のHDD以上の容量なんてあっても意味がないか。
これだけ遅いと、アップデートしている間にファイルが壊れてしまってバックアップの用をなさないなんてこともありそうです。
2時間でアプリも削除し年間プランもキャンセルしました。
BitCasa
BitCasaは「もうHDDは不要」と昨年くらいまで騒がれていたサービスです。当初容量無制限を謳っていましたが、現在は制限が設けられています。バックアップ目的以外でも使えそうなんで、わたしは月額1,200円、容量1TBのプランを試しに申し込んでみました。
サービスとしては、バックアップ専用でなく多目的に使えるストレージサービスです。Dropboxな同期型のサービスと異なり「モバイル・ファースト」という思想で設計されオンラインが前提になっているため、クラウドにデータを登録した後いろんなシーンで使うという想定のようです。わたしのオンラインバックアップの運用にもあっているので、この点は合格です。
気に入ったのは、とっても転送が早いことです。Amazon S3をバックエンドに使っているようですが、アジア地域では東京リージョンを使っているためアジア圏では日本のユーザーは比較的快適に使用することができそうです。ユーザー数がDropboxほど多くないことも早い理由かもしれません。 5GBのファイルを2つ、計10GBのアップロードで、20分くらいで完了します。
また、Dropboxではシステム側からはデータが読み放題なのでセキュリティが問題になっていますが、BitCasaでは1つのファイルをブロックにバラして暗号化して保存しているのでスタッフでもあっても復号できないし、NSAであっても解読してユーザーと紐付けるのは至難の技と言われています。解読するには、バラバラにされたすべてのブロック、マニフェストと呼ばれるブロックの組み合わせのデータ、暗号化のキーが必要となるため、確かにそう簡単に解読できそうな気がしません。こういったセキュリティ面での安心感も高いです。
バックアップとは関係ありませんが、モバイルアプリもあるのでiOSからもアクセス可能です。容量が1TBあるのでバックアップだけでなくオンラインストレージとしても活用できそうです。
こちらはしばらく運用してみようと思います。費用的に月額1,200円はちょっと痛い金額ですが。
Transmit + Amazon S3
実は最強じゃないかと思っている組み合わせが、Transmit + Amazon S3です。
Transmitは Mac定番のFTPクライアントですが、S3のプロトコルに対応していてS3のBucketをディスクのようにマウントすることができます。あとは普通にFinderでコピーできます。メニューバーに常駐する機能もあるので、すぐに呼び出すことも可能です。
Transmitには依存しますが、変なサービスが介在しないという安心感もあります。費用面でもTransmitを持っていれば、あとはS3の利用料金(わたしの場合おそらく10GB程度で月額200円程度)だけで利用できます。
さらに、S3のアップロードヘッダが指定できるので、可用性を少し下げてもよいという以下の指定をデフォルトのファイルタイプに設定しておけば3割ほどチャージも安くなるかもしれません。
x-amz-storage-class: REDUCED_REDUNDANCY
しばらく、BitCasaで遊びつつ、JungleDiskの対応状況を横目で眺め、iCloud Diskの動向も踏まえながら、年末くらいに運用を決めたいと思います。