書評:グイン・サーガ131 パロの暗黒

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作者が逝ってしまわれたので、別の書き手さんによるグインサーガ継続のプロジェクト。本作の五代ゆう氏と宵野ゆめ氏の2名で交互に書いて行くらしく、本作は五代ゆう氏による最初の作品です。

栗本薫でなければという方もいらっしゃいましょうが、個人的には歓迎。 ただこの五代ゆう氏のほうはかなり栗本ワールドと書くテンポとかノリが違っていて「あぁ、別の人なんだな」という印象はあります。読んでいてかなりテンポが速く感じますね。

実際グインサーガの作品初期の頃は100巻宣言はしていましたが、物語としてもテンポよく進み一つ一つの巻を取ってもストーリーとして成り立っていました。いつの頃からか、情景描写や寄り道が多く登場人物のキャラ任せで「読ませるストーリー」を作るつもりがなさそうな臭いがしていました。「あれは単なるキャラによるマスターベーションだ」とはわたしの言葉です。

後期の栗本サーガに比べるとグングン物語は進みます。ただ継続した物語としてみると、イシュトヴァーンのあれほど執拗だったフロリー親子への執着が偽装ってのはちょっと違和感があります。そして、巻末の「あの人」の復活は、「いいんですか? そんなことしちゃって!!?」的な。かなり賛否両論を呼びそうな……

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