ロードスターがいま一つブレイクできないたった一つの理由

カテゴリー:  Automotive タグ:  mazda roadster

今回レンタカーにロードスターを借りたのでレポートを。 借りたのはRHTでいわゆる電動ハードトップがついたタイプ。6速ATです。おそらく2012年のマイナーチェンジ以降のモデルだと思います。

そもそもこの車を借りる時点で覚悟してたんですが、「狭い」。荷物はほとんどトランクに入れておかないと置き場所はありません。女性なんかを乗せると、バッグの置き場に本当に困ってしまいます。

そして、「低い」。ドライビングポジション自体はBRZ/86の方が低そうですが、その低ポジションのシートへの乗り込み時の苦労はおじさんには辛いです。

発車して最初の印象は、「意外に乗り心地いいなぁ」というものでした。もうちょっと固い足回りを想像していました。ちょっとスバルに毒されてるかもしれません。安心して乗れて、そこそこスポーティという絶妙なセッティングはさすがに25年以上の歴史ある車です。 低く構えた車体から路面にぴったりと張り付くようにコーナリングもこなし、ハンドリングも思ったように曲がってくれます。

かといってピーキーなこともなく安定しています。小さな車体から来る印象もあって、自分でコントロールできてるなぁと実感できる運転感覚です。

借りたのは6AT車だったのですが、アクティブ・アダプティブ・シフト(AAS)という機構が組み込まれていました。

このAASの賢さにはびっくりしました。ATモードだとアクセスの踏み方を見ながら、登り坂でのシフトをホールドしたりコーナーでのシフトアップを防いだり加速が欲しいときにはキックダウンしてくれます。

運転状況やアクセルの踏み具合からドライバーの意図をある程度読み取って適切なシフト操作をしてくれているようです。MTモードでも停止時には自動的にシフトダウンや1速に入れておいてくれいたりとなかなか賢いです。

エンジンは2Lの直4です。 ただ、BRZと同じように吸気共鳴システム(インダクション・サウンド・エンハンサー)がついていて、こいつがスポーティーなエンジン音を演出してくれているようです。直4でいうと上質な音です。

個人的にはもう少しスムーズに上まで回って欲しいのと、この吸気共鳴システム(インダクション・サウンド・エンハンサー)の音が低音なので何かうるさい割にもっさり感を感じてしまいました。

さて、こんなロードスター。今の日本では希有な存在のスポーティーカーにしてオープンカーです。 エンジンも駆動系もサス周りもすべてが程よく、アマチュアがスポーティーな走行をするには最適な車です。

ブレイクできない問題が一点あるとすると「オープン」なことです。その存在意義と相反する言い方ですが、そうなのです。

こういう車に乗るヤツは一人でドライブを楽しみたいって人も居るでしょうが、半数くらいは彼氏/彼女と楽しいドライブをしているシーンを思い浮かべるでしょう。

でも、そんなことは絶対起こらないんです。
最初の数分は大丈夫です、「解放感がすてき、空が見える」とか言ってるです。ところが数分も立つと「かばん、置けない、狭い」だの、「風で髪の毛ぐちゃぐちゃ!」とか「日に焼けるの嫌!」とか言い出すんです。そして、追い討ちをかけるように吸気共鳴システム(インダクション・サウンド・エンハンサー)の素敵な吸気音とハードトップを閉めてもどこかしらで鳴ってる風切り音が、車内の会話を寸断します。

買っただけで「あんな車買っちゃってさ」って後ろ指さされそうな車で、その後も孤独なドライバーライフを送れる人のみが楽しめる真のスポーティーカーです。

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