元県民局長 渡瀬氏の「陳述書」の違和感
元兵庫県議会の竹内英明氏のブログ記事を見ていたら、 一部黒に塗りはされていますが、渡瀬康英氏が書いたとされる「陳述書」の画像も添付されていました。
折角なので AI ( AnthropicのClaude 3.5 Sonnet )を使って、イメージからテキスト抽出した後に、 文書の文体や記述内容について分析してみました。以下はそれを元に「陳述書」の不審な点をまとめたものです。
陳述内容の真偽については特に見ていません。本当に渡瀬氏が陳述した文書なのかという観点での検証です。
陳述書における構造と形式の不自然さ
陳述書を分析すると、ご本人が書いた文書と思えないほど、その構造と形式に 以下のような不自然な点が見られます。
1. Q&A形式による不自然な情報の引き出し方
通常、陳述書は陳述者が自身の体験や知見を自発的に記述する形式を取ります。
特に今回は「一死をもって抗議する
」というほど憤りを感じてる方が書いた文書であれば、なおさら主観的な文書となるが普通です。
しかし、この文書は全編にわたってQ&A形式で構成されています。
この形式は、まるで誰かが渡瀬氏にインタビューまたは詰問をしているような印象を与えます。
例えば、次のような質問もあります。
Q 信憑性が疑われる
死を以て自らの正当性を訴えたとされる陳述者が、こんな設問をするだろうかと不思議でなりません。
2. 不自然な質問の具体性
事実を述べるためにQ&A形式がよいと選択したとしても、その質問の具体性にかなり違和感が有ります。
Q 「とにかく斎藤氏は井戸嫌い」と書かれていますが、具体的な例はありますか。
自身でQ&A形式で述べるにしても、「斎藤氏が井戸嫌いである具体的な例は?」などとなるならまだしも 「書かれていますが、具体的な例はありますか?」と本人が自身の陳述として書くでしょうか?
Q これらの行為をどこで誰から聞きましたか
自身の経験を記録するのであれば、単に「これらの行為について」などの書き出しで十分なはずです。 わざわざQ&A形式を取る必然性が見当たりません。
3. 公的な場での証言を想定した形式
冒頭の宣誓文は、任意の陳述書というより、公的な証言を想定した形式となっています:
宣誓「良心に従って、真実を述べ、何事も隠さず、偽りを述べないことを誓います。」
出頭による陳述に代えて、以下のとおり陳述書を提出します。
例えば、もともと百条委員会での証言の原稿として用意されたものを、陳述書の形式に書き換えたのではないか?とも思えます。
4. 不自然な章立てと整理
文書全体が:
- 五百旗頭先生ご逝去
- 知事選挙に際しての違法行為
- 選挙投票依頼行脚
- 贈答品の山
- 政治資金パーティ関係
- 優勝パレード
- ハラスメント
と、体系的に整理されています。
これから自死を決意された方であれば、自身の陳述の中で自身の思いをなんか書き残されるのが普通だと思いますが、 構成上そのような記述はほtんどありません。
これは個人の記憶や体験に基づく陳述としては不自然なほど淡々と整理されており、 むしろ調査報告書のような印象を受けます。
陳述書における情報の詳細度の矛盾
各項目を見ていくと、驚くほど詳細な部分とそうでない部分があるのがわかります。
1. 陳述となっていない回答
折角書かれているのに、記述が曖昧なものや覚えていないとされているものがあります。
ご本人が書かれた陳述書だとして、情報として価値がないばかりかこの文書の信憑性を下げかねない回答をしなければならない設問をなぜわざわざ自身で設定して「覚えていない」と書くのでしょうか? ここでも本人が書いた文書としてはかなり不自然です。
Q ●●のトースターの件はいつ誰から聞いたか A 令和5年の秋ごろ、聞いた相手は忘れました。
Q 企業リストには備考欄があって、"役得"が列記されているとか。」とはいつ誰から聞いたのか A 実際に話として聞きましたが、時期、相手とも記憶にありません。
Q この件はいつ誰から聞いたのか A 時期、相手方ともはっきりとは覚えていません。
Q ゴルフクラブ、特別交付税との関係の根拠は A この件との関係はあくまで憶測です。
文体の不自然さ
1. 質問者の文体の揺れ
同じような内容を問う質問でも、丁寧さのレベルが異なる2つにグルーピングできることがわかります。
常体(基本形)の例:
Q 告発文書の内容はいつ誰から聞いたか。 Q この件はいつ誰から聞いたのか
丁寧体の例:
Q 聞いた内容は文書にあるとおりですか Q 具体的な内容を聞きましたか
このような丁寧語の不統一は、以下の可能性を示唆するように思います。
- 別々の機会に作成された可能性
- 複数の文書から質問を収集した可能性
いずれにしろ、本人の陳述としては非常に不自然です。
2. 質問と回答の文体分析
質問と回答の文体についても確認してみました。
質問:常体、回答:常体
Q 告発文書の内容はいつ誰から聞いたか。
A 令和6年3月8日から9日にかけて瑞宝園で行われた私の送別会の会場で、当時ですが、21世紀震災記念協会の●●●●●●●●から聞いた。
Q この件はいつ誰から聞いたのか
A 時期、相手方ともはっきりとは覚えていない。
質問:常体、回答:丁寧体
Q どのような内容か
A 令和5年7月に●●●●●●●●●●●●●と兵庫県は包括連携協定を締結しました。
Q どこが違法行為なのか
A この項目については違法的問題があるので取り上げました。
質問:丁寧体、回答:丁寧体
Q 具体的な内容を聞きましたか
A 商工会議所、商工会役員と県幹部職員との懇親会の席上、...と聞きました。
Q 聞いた内容は文書にあるとおりですか
A その後の確認で、日にちについては聞き間違いがあり、記載に誤りがあります。
質問:丁寧体、回答:常体
Q ゴルフクラブ、特別交付税との関係の根拠はありますか
A この件との関係はあくまで憶測だ。
Q 具体的な例はありますか
A 令和3年11月3日にオープンした「兵庫津ミュージアム・初代県庁館」の開館記念式典の時、...と聞いた。
まとめると
- 質問と回答の文体について、常体、丁寧体のすべての組み合わせが混在して出現している
- 同じような話題や文脈でも異なるパターンが使用されている
- 時系列や話題による文体パターンの一貫性は見られない
このような文体パターンの無秩序な混在は、一人の人物が一度に作成した文書としては極めて不自然です。
まとめ
このように文章を分析していくと、次のように考えてしまいます。
- 陳述でなく、複数の情報源から集められた情報を整理して作成された可能性が高い
- 第三者による編集や加筆が行われた可能性が高い
- 特定の目的のため、例えば証人としての証言の原稿としてに構成された可能性が高い
陳述者が一人で書いた文書としては、あまりにも体系的で網羅的すぎるにも関わらず、 形式や文体に不審な点が多く違和感があります。